カレントアウェアネス-E
No.49 2004.12.01
E272
地域の記録を電子アーカイブに−CAAPの報告書(英国)
「地域の文書館へのアクセスプロジェクト(Community Access to Archives Project:CAAP)」における検討の結果をまとめた「最終報告書」と「最良の実践モデル」が10月に発表され,現在英国国立文書館のウェブサイトで公開されている。このプロジェクトは,地域アーカイブズ(community archives;注)を構築してオンラインで提供することの実用性について検討するため,国立文書館を中心として2003年11月から1年間にわたって進められたものである。
「最良の実践モデル」では,既にこのような地域資料を集めて利用に供している西ヨークシャー文書館やロンドン・ハクニー文書局の例を挙げ,その提供方法を提案している。また,「最終報告書」では,地域資料へのアクセスを可能にすることによって,地域理解・生涯学習に必要な知識を共有できる,地域の人々が文書館を利用しやすくなる,といった効果が期待できると結論付けている。
(注)「最終報告書」によると,地域アーカイブズとは「ある地域の歴史や特徴に関する知識を守り伝えるための資料群」と定義されている。資料の多くは公文書ではなく住民の手によってつくられたもので,通常は保存されることが少ない。
Ref:
http://www.managinginformation.com/news/content_show_full.php?id=3276
http://www.nationalarchives.gov.uk/partnerprojects/caap/documents.htm
西ヨークシャー文書館 ( http://www.archives.wyjs.org.uk/ )
ハクニー文書局 ( http://www.hackney.gov.uk/archives )