カレントアウェアネス-E
No.27 2003.12.03
E150
米・カナダにおける視覚障害者等への電子情報サービスの展開
カナダ盲人援護協会(CNIB,注)は,11月12日,昨年から開発してきたCNIB電子図書館を公開した。1万タイトル以上の音声資料・墨字資料・点字資料と40タイトル以上の新聞,雑誌,データベース等の一次資料がオンラインで利用できるほか,6万タイトルを超える資料の書誌情報検索や貸出申込みができる。また,読むことに障害を持つ子どもたちのための世界初のポータルサイトである「子どものための発見ポータル(Children’s Discovery Portal)」では,録音図書をオンラインで利用できるほか,ゲームを楽しんだり,宿題の手助けをしてもらったり,全国の子どもたちとチャットすることもできる。CNIBはこの電子図書館の構築のために「誰もが読める(That all may read…)」と名づけた全国キャンペーンを展開し,3,300万カナダドルの資金調達に取り組んでいる。現在までに1,940万カナダドルの寄付を得たという。
一方,米国では,イリノイ州立図書館が州内の録音図書センターと協働して,読むことに障害を持つ人たちを対象に「情報の目(Info-Eyes)」というウェブサイトを11月3日に開設した。インターネットやデータベースの使い方,情報の探し方の援助や読書相談を行ったり,QuestionPoint(CA1476参照)のシステムを使ってバーチャル・レファレンス・サービスを提供している。2004年7月30日までを試行期間と位置づけて,サービスの評価を実施している。
(注)CNIBの活動については,『図書館調査研究リポート』No.1を参照。 (http://www.ndl.go.jp/jp/library/lis_research/lis_rr_01.html)
Ref:
http://www.cnib.ca/library/whats_new/digital_library_release.htm
http://www.infoeyes.org/announcement.html
CA1476