「象は忘れない」-Google Book Searchをバックアップする共同デジタルリポジトリの名称が“HathiTrust”に

シカゴ大学など12大学によるコンソーシアム“Committee on Institutional Cooperation(CIC)”、カリフォルニアデジタル図書館(CDL)およびカリフォルニア大学の10大学図書館による図書館システムなど、合計25の研究図書館が2008年10月13日、各図書館のデジタルコレクションを一堂に集めた共同デジタルリポジトリ“HathiTrust”を立ち上げると発表しました。

これは、Google Book Searchをバックアップする役割をも担っており、現段階では、各大学がGoogle Book SearchプロジェクトでGoogleとともにデジタル化した1,000万冊以上のコンテンツのうち200万冊、7.5億ページ以上を収録しています。このうち16%がパブリックドメインになっており、これらはオンラインで提供されます。また著作権保護期間内にあるコンテンツについても、オンラインでは提供しないが確実に長期保存していく対象として含まれています。なおHathiTrustには、Google Book Searchプロジェクト以外のコンテンツも含まれるとされています。

HathiTrust
http://www.hathitrust.org/

Launch of HathiTrust – October 13, 2008
http://www.hathitrust.org/press

An Elephant Backs Up Google’s Library – New York Times
http://bits.blogs.nytimes.com/2008/10/13/an-elephant-backs-up-googles-library/
University Libraries in Google Project to Offer Backup Digital Library – Chronicle.com
http://chronicle.com/free/2008/10/5061n.htm

なお、リポジトリ内のコンテンツ全てにアクセス可能なインターフェースはまだ構築中とのことですが、メタデータはすでにダウンロード可能となっているほか、メタデータの検索サービスを提供している参加館もあります。

Bibliographic Data Distribution
http://www.hathitrust.org/bibliographic_data_distribution

Mirlyn – MBooks (HathiTrust)
http://mirlyn.lib.umich.edu/F/?local_base=mbooks
(ミシガン大学図書館による、全メタデータが検索できる検索システム)

ちなみに“Hathi”とはヒンディー語で「象」を指す語であり、シンボルマークにも象が描かれています。英語のことわざで、象は「決して忘れることがない(An elephant never forgets)」生き物とされており、長期保存をイメージさせること、また大きく、強いということで、この名称になったとのことです。

October 13th, 2008付けDigitalKoansの記事
http://digital-scholarship.org/digitalkoans/2008/10/13/committee-on-institutional-cooperation-and-university-of-california-launch-hathitrust-shared-digital-repository/

参考:
CIC、Google Book Searchコンテンツの共同デジタルリポジトリを構築
http://current.ndl.go.jp/node/8223