英国の学会・専門協会出版協会(ALPSP)とPorticoが、ALPSP加盟出版社に対し実施した、電子ジャーナル・デジタルコンテンツの長期保存に関する取り組み・意識の調査の結果を発表しました。実施は2008年7月で、240社のうち68社(約23%)が全質問に回答しています。調査結果のすべてがPDFファイルで公開されています。
この調査によると、
・回答した出版社の大多数(91%)が、長期保存は解決すべき喫緊の課題であると認識していた。
・回答した出版社の68%が、保存に関する問題について自社はよく/適度に理解していると回答しているが、業界としてのベストプラクティス、標準の開発を、ほとんどすべての出版社が強く望んでいた。
・回答した出版社のうち77%が、既存の長期保存イニシアチブ(Portico、LOCKSS、CLOCKSS等)に参加していると回答した。しかし、各イニシアチブの参加出版社数から見ると、これは明らかに多すぎる値である。この矛盾は、長期保存イニシアチブにトライアル参加したのを「参加」と回答した、選択肢の文章の不備、等によるものではないかと考えられる。
・長期保存への責任主体としてふさわしい機関という質問に対しては、国立図書館(70.4%)、独立系NPO(60.6%)、各出版社自身(43.7%)、大学図書館またはその共同体(42.3%)、出版社の共同体(38%)の順で回答が多かった。
・多くの出版社は長期アクセスの保証と長期保存の保証とを明確に区別しており、前者は明確に出版社の責任範囲であると見なすところが多かった。
などが、主な結果として挙げられています。
Long-term Preservation Strategies – new ALPSP report
http://www.alpsp.org/ngen_public/article.asp?id=1&did=47&aid=27202&st=&oaid=-1
October 12th, 2008付けDigitalKoansの記事
http://digital-scholarship.org/digitalkoans/2008/10/12/long-term-preservation-results-from-a-survey-investigating-preservation-strategies-amongst-alpsp-publisher-members/