英国の図書館統計・2006年版

英国のラフバラ大学が、2006年の図書館統計を刊行しています。今年の統計の主な特徴としては、以下のものが挙げられています。

・公共図書館の支出は7年連続で増加し、人口1人当たり約18ポンド(約4,200円)であった。イングランド、ウェールズで公共図書館サービス基準が引き上げられ開館時間が延びたことにより、人件費が増加している。

・公共図書館への来館利用者数は増加し、成人の48%が利用したと推定されるが、貸出数は減少した。利用者の増加の要因として、97%の分館でICT環境が利用できるようになったことが挙げられる。

・高等教育機関の図書館の資源は、学生数に比例して増加している。フルタイム換算値(FTE)の学生1人当たりの支出は約310ポンド(約7万1,000円)。全体の支出のうち、およそ3分の1が資料費であった。

・研究図書館の貸出数は、学生数の伸びよりも大きく伸びている。電子資料への投資が増加し、また図書館に来なくても利用できる環境が整備されつつあるにもかかわらず。

・国立図書館の利用動向はまちまちである。英国図書館(BL)、ウェールズ国立図書館の利用者数は減少しているが、スコットランド国立図書館は増加している。資料に関する問い合わせは、ウェールズ国立図書館では増加しているが、BL、スコットランド国立図書館では減少している。

・英国全土で約1万人の有資格の図書館情報専門家が勤務しているが、これは5年前に比べて17%減少している。

LISU Annual Library Statistics 2006
http://www.lboro.ac.uk/departments/ls/lisu/pages/publications/als06.html
Press Release: LISU Annual Library Statistics 2006
http://www.lboro.ac.uk/departments/ls/lisu/downloads/als06pr.pdf