2022年8月26日、国際図書館コンソーシアム連合(ICOLC)が、図書館のメタデータに関する権利についての声明を発表しました。
声明の中で、図書館資料のメタデータは、通常、著作権保護の対象ではなく、自由に共有・二次利用を行えるとみなされるべきであるものの、一部の業界関係者は図書館がメタデータを使用する権利を制限していると指摘しています。その上で、公共の利益のため、図書館資料のメタデータを制約なく利用・二次利用・改変・集約・共有できる図書館の権利と利益を支援するよう、営利・非営利を問わず全ての機関に対して求めています。
また、関連する最近の動向として、OCLCによるClarivate社とその子会社のClarivate Analytics社、Ex Libris社、ProQuest社に対する訴訟、裁判所によるClarivate社への暫定的差止命令が挙げられています。声明に署名した機関として、9月8日時点では、米国図書館協会(ALA)の“Core Metadata & Collections Section Leadership Team”、米・フロリダ州立図書館、米国の図書館等のネットワークLYRASIS、アルメニア国立図書館、英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)等29機関が挙げられています。
ICOLC Statement on the Metadata Rights of Libraries(ICOLC, 2022/8/26)
https://icolc.net/statements/icolc-statement-metadata-rights-libraries
参考:
OCLC、Clarivate社を提訴:WorldCatのデータ流用に関して
Posted 2022年6月16日
https://current.ndl.go.jp/node/46326
Clarivate社、OCLCによる起訴に関する声明を公開
Posted 2022年6月22日
https://current.ndl.go.jp/node/46360