米国のカリフォルニア大学バークレー校図書館が、2022年8月11日付で、同館で開催されている展示会に関する記事“Shelf Life: Preserving the Library’s Collections”を掲載しました。
展示会では、同館の保存・修復の専門家による作業の紹介のほか、保存のツール、技術、用語が紹介されているとあります。同館の保存部門においては、古代エジプトのパピルスなどの特別コレクションを今日の研究者が利用できるようにするだけでなく、今日の資料を未来の研究者が利用できるよう作業に取り組んでいるとしています。
記事によると、場合によっては資料をまったく修繕しないことが最善の方法であると担当者が判断することもあるとしています。また、保存の基本原則の 1 つは、処理によって作品が永久に変化してしまう可能性があるということについて慎重に検討することであるとし、保存・修復担当者の言葉として「私たちはコレクションの保存に最善を尽くしますが、未来を予測することはできません。アイテムに介入するときは、作業を元に戻せるようにする必要があります。そうすれば、300 年後に『なぜそんなことをしたのか』と疑問が生じた際に、彼らはそれを元に戻すことができるでしょう。」と述べています。
8月19日にはYouTubeで関連動画が公開され、パピルス、貴重書、地図、パノラマ写真などの古い資料の修復やパンフレットの保存の様子などを見ることができます。パピルス、貴重書、地図の修繕に日本の和紙や刷毛が利用されている様子も紹介されています。
秋には展示会のオンラインバージョンが公開される予定とあります。
Shelf life: UC Berkeley Library exhibit showcases tools, techniques, and terminology of time-traveling preservation profession(Berkeley Library,2022/8/11)
https://news.lib.berkeley.edu/shelf-life-exhibit
Shelf Life: Preserving the Library’s Collections(YouTube,2022/8/19)
https://www.youtube.com/watch?v=qEByLXj8_s4&t=6s