2022年3月14日、米国のカリフォルニア大学は、Wiley社と新しいオープンアクセスパイロット契約を締結したことを発表しました。
この契約では、Wiley社のジャーナルにてカリフォルニア大学10校とローレンス・バークレー国立研究所(LBNL)の責任著者がオープンアクセス論文を出版する際に、15%の論文処理費用(APC)の割引が適用されます。また、カリフォルニア大学5校に所属する著者については、APCのうち1,000ドルはカリフォルニア大学図書館から支出されます。研究助成のある研究者はAPCの残額を支払う必要があり、研究助成のない研究者は図書館に全額の支払いを要求することができます。
パイロット契約は1年間であり、カリフォルニア大学とWiley社は、複数の支払者によるオープンアクセスのための支払のワークフローの開発・テストを行い、より広範な契約の可能性を探っていくとしています。
New pilot open access agreement between the University of California and Wiley(UC Office of Scholarly Communication, 2022/3/14)
https://osc.universityofcalifornia.edu/2022/03/new-pilot-oa-agreement-uc-wiley/
参考:
CA1977 – 動向レビュー:学術雑誌の転換契約をめぐる動向 / 尾城孝一
カレントアウェアネス No.344 2020年6月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1977
Wiley社と東北大学・東京工業大学・総合研究大学院大学・東京理科大学、転換契約を見据えたオープンアクセス促進に関する覚書に署名
Posted 2022年2月10日
https://current.ndl.go.jp/node/45620
Wiley社、デンマーク王立図書館と4年間の転換契約を締結
Posted 2022年2月7日
https://current.ndl.go.jp/node/45604
Wiley社、韓国・国家科学技術研究会(NST)と3年間の転換契約を締結
Posted 2022年1月12日
https://current.ndl.go.jp/node/45461
米・カリフォルニア大学とElsevier社、4年間の転換契約を締結
Posted 2021年3月17日
https://current.ndl.go.jp/node/43568