2022年1月26日、米・ニューヨーク大学図書館が、学術資料を長期保存可能な形で出版するためのガイドラインを公開したと発表しました。
同ガイドラインはアンドリュー・W・メロン財団の資金提供のもと、同館が他の図書館や大学出版者、デジタル保存機関と連携して行ったプロジェクトにより作成されました。作成の背景として、研究者が多様なデジタル技術を用いて研究成果の表現を行うようになってきており、そういった技術への対応が長期的な保存性を確保しようとする出版者にとって課題になっているということが述べられています。
現在利用可能なツールで保存可能な要素について様々なデジタル出版物を調査した結果と、保存や出版、権利に関する専門家の知見を合わせることで作成されており、HTML版では「計画」「権利」をはじめとした9つのキーワードがタグ付けされた、68の推奨事項が記載されています。なお、ガイドラインはクリエイティブ・コモンズ・ライセンスのCC BY 4.0で提供されています。
NYU Division of Libraries Issues First-ever Guidelines For Publishing Preservable, Complex Digital Scholarship(NYU Libraries, 2022/01/26)
https://guides.nyu.edu/blog/NYU-Libraries-DLTS-Issues-First-ever-Guidelines-For-Publishing-Preservable-Complex-Digital-Scho
Guidelines for Preserving New Forms of Scholarship(NYU Libraries)
https://preservingnewforms.dlib.nyu.edu/guidelines
https://doi.org/10.33682/0dvh-dvr2
※リンクの一つ目はHTML版、二つ目はPDF版・EPUB版が掲載されています。
参考:
米・ニューヨーク大学図書館、教員・学生向けに電子書籍アプリ“SimplyE”での学術書利用を可能にするパイロットプロジェクトを開始:ProQuest社、米・LYRASISと協力
Posted 2021年4月8日
https://current.ndl.go.jp/node/43761
米・Educopia Institute、大学図書館の出版事業における学術誌出版ワークフローを文書化した資料を公開:北米の大学図書館12館が対象
Posted 2021年10月22日
https://current.ndl.go.jp/node/45039