2021年10月5日、米・ニューヨーク公共図書館(NYPL)が、ニューヨーク市内にあるブルックリン公共図書館、NYPL、クイーンズ公立図書館の3館の図書館システムで延滞料を廃止することを発表しました。
これまでの運用では、延滞料が15ドルを超えると図書館カードを利用停止にしていましたが、今回の発表時点で約40万人のニューヨーク市民のカードが利用停止になっていました。利用停止になっているカードが特に多かったのは低所得世帯の多い地域でした。
NYPL館長のマークス(Anthony W. Marx)氏は、延滞制度は、延滞料を支払う余裕のある人にとっては返却のインセンティブとならず、支払う余裕のない人にとっては資料へのアクセスに対して障壁となっており、延滞料廃止はより公平な社会への第一歩であるという旨を述べています。
One Fine Day: New York City’s Three Public Library Systems Eliminate Late Fines(NYPL, 2021/10/5)
https://www.nypl.org/press/press-release/october-5-2021/one-fine-day-new-york-citys-three-public-library-systems
Borrowing & Library Policies Fines & Fees(Brooklyn Public Library)
https://www.bklynlibrary.org/use-the-library/borrow
We’ve Eliminated Late Fines: It’s A New Day At The Library.(Queens Public Library, 2021/10/5)
https://www.queenslibrary.org/about-us/news-media/blog/2335
参考:
本を読むなら許します! ニューヨーク公共図書館による子ども利用者14万人の罰金帳消しキャンペーン
Posted 2011年7月26日
http://current.ndl.go.jp/node/18757
LIS Newsが選ぶ2019年の図書館・図書館情報学関連の10大ニュース(米国)
Posted 2019年12月18日
https://current.ndl.go.jp/node/39772
E497 – 米国公共図書館の「延滞料」事情−「延滞料」を取る図書館と取るのをやめた図書館
カレントアウェアネス-E No.84 2006.06.07
https://current.ndl.go.jp/e497