OAPEN、2020年の年次報告書を公開

2021年6月30日、単行書のオープンアクセス(OA)を推進する欧州のコンソーシアムOAPENは、2020年の年次報告書を公開しました。報告書では、OAPENの2020年の主要な成果が述べられています。

2020年には、5,000冊の単行書がOAPEN Libraryに追加され、OAである単行書の冊数は15,000を超えました。2020年のダウンロード数は77%増加しました。ダウンロード数が増加した要因として、タイトル数が増加したこと、新型コロナウイルス感染症拡大の影響、DSpaceへの移行が挙げられています。

OAである単行書のディレクトリであるDirectory of Open Access Books(DOAB)については、2020年にDSpaceへの移行の準備が進められ、2021年に完了しました。DOABは、図書館等のカタログにディレクトリを簡単に統合するための様々なオプションを提供しています。様々な形式でのメタデータの提供、REST API、OAI-PMHの提供が挙げられます。

また、2020年秋には、“OAPEN Open Access Books Toolkit”を公開しました。著者、図書館、研究支援チームが単行書のOA出版をよりよく理解し、OA単行書への信頼を高めることを目的としています。公開から半年間のユニーク訪問者数は144カ国から30,000であり、様々な機関から受け入れられています。

News(OAPEN)
https://oapen.org/resources/13559790-news
※2021年6月30日付けで、“OAPEN 2020 Stakeholder report”の公開が発表されています。

OAPEN 2020 Stakeholder report(OAPEN,2021/6/30)
https://oapen.org/article/oapen-2020-stakeholder-report

OAPEN Foundation Annual Report 2020 Key results and developments [PDF:20ページ](OAPEN)
https://oapen.fra1.digitaloceanspaces.com/ad7e136c2f2e48709541fb6deae579ba.pdf

参考:
オープンアクセス(OA)学術単行書のダイレクトリDOABがDspace ver.6上に構築した新プラットフォームへリニューアル
Posted 2021年2月19日
https://current.ndl.go.jp/node/43332

OAPEN、単行書のオープンアクセス出版に関する理解を深めるためのツールキット“OAPEN Open Access Books Toolkit”を公開
Posted 2020年10月1日
https://current.ndl.go.jp/node/42145

OAPEN、OAPEN Libraryの新プラットフォーム運用を開始:DSpace上に構築・ONIXフォーマットのメタデータインポート等の新機能も追加
Posted 2020年4月22日
https://current.ndl.go.jp/node/40828

CA1907 – 動向レビュー:欧州における単行書のオープンアクセス / 天野絵里子
カレントアウェアネス No.333 2017年9月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1907