Nature誌のオンライン版に、2021年6月25日付けで記事“Impact factor abandoned by Dutch university in hiring and promotion decisions”が掲載されています。オランダ・ユトレヒト大学が、採用・昇進の決定においてインパクトファクターによる評価を正式に廃止することを紹介しています。
2022年初頭までに、同大学の全学部において、インパクトファクターとは異なる指標に基づく評価が導入されるとしています。指標の例として、チームワークへの貢献、オープンサイエンスの推進への尽力を挙げています。
記事では、標準的な指標であるインパクトファクターに基づく評価の廃止が、同大学から他大学に移籍する教員に不利益をもたらす可能性についても指摘しています。今回の取組に携わる同大教授のPaul Boselie氏はこの指摘に対し、若手研究者が不安を感じていることを認めつつ、最終的には評価システムが変わると信じているため、リスクを負うことを厭わないとコメントしています。
Impact factor abandoned by Dutch university in hiring and promotion decisions(Nature, 2021/6/25)
https://doi.org/10.1038/d41586-021-01759-5
関連:
Recognition and rewards(Universiteit Utrecht)
https://www.uu.nl/en/research/open-science/tracks/recognition-and-rewards
※ユトレヒト大学の新しい評価スキームに関するウェブページです。
参考:
欧州大学協会(EUA)、DORA・SPARC Europeと共同収集した研究評価の改善に関する実践事例の報告書を公開
Posted 2021年1月20日
https://current.ndl.go.jp/node/43038