2021年3月26日、「第6期科学技術・イノベーション基本計画」が閣議決定されました。
同計画では、日本が目指すべき Society 5.0 の未来社会像を、「持続可能性と強靱性を備え、国民の安全と安心を確保するとともに、一人ひとりが多様な幸せ(well-being)を実現できる社会」と表現し、その実現に向けた『「総合知による社会変革」と「知・人への投資」の好循環』という科学技術・イノベーション政策の方向性を示しています。そして、その達成のため、次の5年間で約30兆円の政府研究開発投資を確保し、これを呼び水として官民合わせて約120兆円の研究開発投資を行っていくとしています。
「第2章 Society 5.0の実現に向けた科学技術・イノベーション政策」の「2.知のフロンティアを開拓し価値創造の源泉となる研究力の強化 (1)多様で卓越した研究を生み出す環境の再構築」の「目標」の1つには「人文・社会科学の厚みのある研究が進み、多様な知が創出されるとともに、国内外や地域の抱える複雑化する諸問題の解決に向けて、自然科学の知と融合した「総合知」を創出・活用することが定着する」があげられており、「具体的な取組」の1つとして「人文・社会科学の研究データの共有・利活用を促進するデータプラットフォームの基盤整備・強化や、研究データの管理・利活用機能などにおける図書館のデジタル転換等を通じた支援機能の強化」があげられています。また、同じく第2章の「(2)新たな研究システムの構築(オープンサイエンスとデータ駆動型研究等の推進)」の「科学技術・イノベーション政策において目指す主要な数値目標」(主要指標)」には「機関リポジトリを有する全ての大学・大学共同利用機関法人・国立研究開発法人において、2025年までに、データポリシーの策定率が100%になる/公募型の研究資金の新規公募分において、2023年度までに、データマネジメントプラン(DMP)、および、これと連動したメタデータの付与を行う仕組みの導入率が100%になる」が掲げられ、「具体的な取組」の1つとして「研究者の研究データ管理・利活用を促進するため、例えば、データ・キュレーター、図書館職員、URA、研究の第一線から退いたシニア人材、企業等において研究関連業務に携わってきた人材、自らの研究活動に資する場合にはポスドク等の参画や、図書館のデジタル転換等の取組について、2022年度までにその方向性を定める」等としています。
令和3年3月26日(金)定例閣議案件(首相官邸)
https://www.kantei.go.jp/jp/kakugi/2021/kakugi-2021032601.html
※「科学技術・イノベーション基本計画について(決定)」とあります。
第6期科学技術・イノベーション基本計画(令和3年3月26日閣議決定)(内閣府 第6期科学技術・イノベーション基本計画)
https://www8.cao.go.jp/cstp/kihonkeikaku/index6.html
https://www8.cao.go.jp/cstp/kihonkeikaku/6honbun.pdf
※二つ目のリンクが計画本文です [PDF:1,019KB]
参考:
内閣府、「第6期科学技術・イノベーション基本計画」答申素案に対する意見募集を実施中
Posted 2021年2月4日
https://current.ndl.go.jp/node/43191
内閣府、「科学技術・イノベーション基本計画の検討の方向性(案)」を公開
Posted 2020年9月3日
https://current.ndl.go.jp/node/41919
文部科学省、「第6期科学技術基本計画に向けた提言」を公表
Posted 2020年7月20日
https://current.ndl.go.jp/node/41542
日本学術会議、提言「第6期科学技術基本計画に向けての提言」を公表
Posted 2019年11月7日
https://current.ndl.go.jp/node/39457