2021年2月24日、デジタル時代の権利擁護を目的として活動する米国の非営利団体“Fight for the Future”は、デジタル出版の展開に伴う書籍のアクセシビリティ・利用可能性の不平等の存在を可視化するツールとして、ウェブサイト“Who Can Get Your Book?”を公開したことを発表しました。
“Fight for the Future”は、高額なライセンス契約・Amazonの流通独占等のため、電子書籍やオーディオブックのようなデジタルフォーマットによる出版が、公共図書館・公教育機関・独立系書店等の提供を妨げ、結果として視覚障害者や低所得者の情報アクセスを制限し、アクセシビリティ・利用可能性に関する不平等を拡大していることを指摘しています。
公開された“Who Can Get Your Book?”では、紙書籍・電子書籍・オーディオブックそれぞれの出版方法について、著者・出版社を想定したクイズを提供しています。クイズの回答内容により、公共図書館・公教育機関・独立系書店に対するアクセシビリティ・利用可能性の評価、及び総合評価が与えられます。
New tool shows how Amazon and other book publishers are killing accessibility of books(Fight for the Future,2021/2/24)
https://www.fightforthefuture.org/news/2021-02-24-new-tool-shows-how-amazon-and-other-book/
Who Can Get Your Book?
https://www.whocangetyourbook.com/
参考:
CA1978 – 動向レビュー:米国での電子書籍貸出をめぐる議論 / 井上靖代
カレントアウェアネス No.344 2020年6月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1978
E2280 – 電子書籍サービスのスクリーンリーダー対応状況について
カレントアウェアネス-E No.394 2020.07.09
https://current.ndl.go.jp/e2280
米国図書館協会(ALA)、図書館のコアサービス提供機能を制限するデジタル市場の商慣行是正を求めたレポートを米国下院に提出
Posted 2019年11月6日
https://current.ndl.go.jp/node/39433