コロナ禍で電子書籍・オーディオブックを利用する兵士が増加:韓国陸軍が運営する電子図書館(記事紹介)

韓国・国防部が所管する国防広報院が発行する『国防日報』が、2021年1月5日付の記事において、韓国陸軍が運営する電子図書館における2020年の電子書籍の貸出数は17万冊で、2019年と比べて約55%増加したと報じています。

インターネット経由で接続できる「陸軍電子図書館」からは約5万冊、イントラネット上の「陸軍本部電子図書館」からは約12万冊貸し出されており、42万人いる陸軍兵士の3人に1人が1回以上利用した計算となるとしています。

記事では、コロナ禍により、休暇等での兵士の外出が制限され、営内で読書を楽しむ時間が増えたものの、冊子体の図書を閲覧できる各部隊の図書館施設が運営されていない日が多かったこと、また、兵士が日課後に携帯電話を使用することが可能となった中で、2020年1月に「陸軍電子図書館」の本格運用が開始されたことが、スマートフォンでの電子書籍の利用増につながったと分析しています。

「陸軍電子図書館」は、陸軍の全将兵・軍務員・生徒が利用可能で、約2万9,000冊の電子書籍と、約800点のオーディオブックを備えていますが、2020年によく貸し出されたタイトルの1位から5位までをオーディオブックが占めていたことから、陸軍では今後オーディオブックのタイトル数を拡充する方針とのことです。

전자책 읽고 오디오 북 듣고… 육군 ‘스마트 독서 진화’(電子書籍を読んで、オーディオブックを聞いて… 陸軍‘スマート読書に進化’)(国防日報,2021/1/5)
https://kookbang.dema.mil.kr/newsWeb/20210106/18/BBSMSTR_000000010023/view.do

전자책 읽고 오디오 북 듣고… 육군 ‘스마트 독서 진화’(電子書籍を読んで、オーディオブックを聞いて… 陸軍‘スマート読書に進化’)(国防部,2021/1/6)
https://www.mnd.go.kr/cop/kookbang/kookbangIlboView.do?siteId=mnd&pageIndex=1&findType=&findWord=&categoryCode=dema0004&boardSeq=29735&startDate=&endDate=&id=mnd_020102000000

参考:
CA885 – 軍隊の図書館-超大型航空母艦における図書館の発達状況- / 田中嘉彦
カレントアウェアネス No.166 1993.06.20
https://current.ndl.go.jp/ca885

E2135 – 私達の人生を変える図書館:第3次図書館発展総合計画(韓国)
カレントアウェアネス-E No.368 2019.05.16
https://current.ndl.go.jp/e2135
※障害者・病院・兵営・刑務所の図書館のサービス拡充

E2173 – 韓国,第3次読書文化振興基本計画(2019-2023)を発表
カレントアウェアネス-E No.375 2019.08.29
https://current.ndl.go.jp/e2173
※軍人の読書文化形成を目的とした兵営図書館資料の拡充や国防部と協力したプログラムづくり

米国議会図書館(LC)、連邦政府機関の図書館・図書館員を称える賞“Awards for Federal Librarianship”の2019年の受賞者を発表
Posted 2020年6月26日
https://current.ndl.go.jp/node/41351