米国議会図書館(LC)、永久保存対象に選ばれた映画25作品を発表(2020年)

2020年12月14日、米国議会図書館(LC)が、文化的・歴史的・美学的に意義のある映像資料の永久保存レジストリ“National Film Registry”に追加する2020年分の映画25作品を発表しています。

公開から少なくとも10年を経た作品の中から、毎年25作品が追加されており、今回の追加によりレジストリで保存される作品は800作品になりました。今回選ばれた25作品には女性監督の作品が10作品、非白人監督の作品が7作品含まれており、映画製作者の多様性にスポットライトを当てる内容となっています。

新たに選ばれた作品には、『ダークナイト』(2008年)、『ハート・ロッカー』(2008年)、『シュレック』(2001年)、『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』(1999年)、『時計じかけのオレンジ』(1971年)、『野のユリ』(1963年)、『黄金の腕』(1955年)、『ヴェニスの子供自動車競走』(1914年)などがあります。

LCによる発表には、『ダークナイト』の監督であるクリストファー・ノーラン氏のコメントも掲載されています。同氏は、「『ダークナイト』に携わった我々全員にとって大きな名誉であるだけでなく、何十年にもわたりバットマンの偉大な神話に携わってきた全ての素晴らしいアーティストと作家への賛辞でもある」と述べています。

発表では、12月15日20時から映画専門チャンネルTurner Classic Movies(TCM) において25作品の中から選ばれた映画が放映されることや、過去30年の追加分のうち一部の作品はLCのデジタル化した映像のコレクションである“National Screening Room”でオンライン公開されていることも紹介されています。

National Film Registry Spotlights Diverse Filmmakers in New Selections(LC, 2020/12/24)
https://www.loc.gov/item/prn-20-082/

参考:
E2126 – National Film Registryの30年:米国におけるフィルム保存
カレントアウェアネス-E No.367 2019.04.18
https://current.ndl.go.jp/e2126

米国議会図書館(LC)、永久保存対象に選ばれた映画25作品を発表(2019年)
Posted 2019年12月12日
https://current.ndl.go.jp/node/39726

米国議会図書館(LC)、デジタル化した映像のコレクション“National Screening Room”を公開
Posted 2018年9月28日
http://current.ndl.go.jp/node/36726