2020年11月22日、YouTube Live配信によりシンポジウム「自然史標本レスキューの現在地点とこれから」が開催されます。
同シンポジウムは、岩手県立博物館を中核館とする、文化庁の地域と共働した博物館創造活動支援事業「津波により被災した文化財の保存修復技術の構築と専門機関の連携に関するプロジェクト」の実行委員会の主催により開催されます。東日本大震災以降、文化遺産保全ネットワークなど、自然史標本を含む災害により被害を受けた文化財を救うための取り組みが進む一方、自然史標本のレスキューには、技術的にも、制度的にも、まだ難しい課題が残されています。講演・パネルディスカッションを通して、自然史標本のレスキューと将来の体制構築に向けた議論が行われます。
また、同シンポジウムは、大阪市立自然史博物館と西日本自然史系博物館ネットワークが共催します。大阪市立自然史博物館は2020年10月16日から11月29日まで、テーマ展示「陸前高田市立博物館コレクションが遺す地域の自然と文化」を開催しており、シンポジウムを同展示の関連イベントに位置づけています。
シンポジウムの様子は、開催日時に配信URLにアクセスすることで視聴することができます。事前の申込は不要です。また、当日に視聴できなかった場合でも、2週間の見逃し配信で視聴可能となる予定です。シンポジウムの主なプログラムは次のとおりです。
●講演
・東日本大震災津波被災標本のその後と陸前高田市立博物館
熊谷賢氏(陸前高田市立博物館)
・文化財レスキューの現在とこれから
高妻洋成氏(奈良文化財研究所)
・自然史標本レスキューの課題
佐久間大輔氏(大阪市立自然史博物館)
●パネルディスカッション
「これからの自然史標本の保存をどう図るか?」
パネリスト:熊谷賢氏(陸前高田市立博物館)、高妻洋成氏(奈良文化財研究所)、副島顕子氏(熊本大学)、松下正和氏(神戸大学)、鈴木まほろ氏(岩手県立博物館)
進行:佐久間大輔氏(大阪市立自然史博物館)
質問整理:松崎哲也氏(奈良文化財研究所)
【2020/11/22ネット配信】シンポジウム 「自然史標本レスキューの現在地点とこれから」(西日本自然史系博物館ネットワーク,2020/11/8)
http://www.naturemuseum.net/blog/2020/11/20201122.html
関連:
津波により被災した文化財の保存修復技術の構築と専門機関の連携に関するプロジェクト(地域と共働した博物館創造活動支援事業)
https://chiikitokyodo.bunka.go.jp/jirei/07.html
【本日より開催】テーマ展示「陸前高田市立博物館コレクションが遺す地域の自然と文化-自然史標本レスキューの現在地点-」開催しました。(大阪市立自然史博物館,2020/10/16)
http://www.omnh.net/whatsnew/2020/10/post_431.html
参考:
岩手県立博物館の敷地内に、「仮設陸前高田市立博物館被災文化財等保存修復施設」が完成
Posted 2014年5月7日
https://current.ndl.go.jp/node/26081
西日本自然史系博物館ネットワーク、「令和元年10月の台風19号等による被災自然史標本について」を発表
Posted 2019年10月24日
https://current.ndl.go.jp/node/39335
全国の自然史系博物館・大学による令和2年7月豪雨の被害を受けた人吉城歴史館(熊本県)所蔵の植物標本レスキュー支援活動が開始
Posted 2020年7月28日
https://current.ndl.go.jp/node/41589
文化庁、「地域と共働した博物館創造活動支援事業」専用ウェブページを開設
Posted 2020年10月12日
https://current.ndl.go.jp/node/42230