2020年10月14日付で、英・ケンブリッジ大学出版局（CUP）は、実施中のコロナウイルス関連研究の無料提供について、その効果や実績等を報告した記事“Free collection of coronavirus research sees 1.7 million downloads”を公開しました。
CUPは、当時はまだ名称の定まっていなかった「新型コロナウイルス（COVID-19）」について、世界保健機関（WHO）が世界的な公衆衛生上の緊急事態を宣言した2020年1月以降、コロナウイルスに関連した研究のコレクション“Coronavirus Free Access Collection”の無料提供を実施しています。単行書の章や雑誌記事で構成する100件に満たない規模で開始した同コレクションは、記事の公開時点で1,000件以上にまで成長し、現在も増加し続けています。
CUPは同記事の中で、2020年9月までの8か月間に同コレクションに対して約170万件のダウンロードが行われたことなど、その成果を報告しています。また、新型コロナウイルス関連研究が掲載誌によらず、ゴールドオープンアクセス（OA）のライセンスで公開されることを支援するため1,000件以上の研究の論文処理費用（APC）の免除を行い、この措置を2020年12月まで継続することや、コロナウイルス関連研究の出版プロセスを迅速化し該当する論文の9割が受理から48時間以内に公開されていることなどを紹介しています。
Free collection of coronavirus research sees 1.7 million downloads（CUP，2020/10/14）
https://www.cambridge.org/jp/about-us/news/free-collection-coronavirus-research-sees-17-million-downloads/
Coronavirus Free Access Collection（CUP）
https://www.cambridge.org/core/browse-subjects/medicine/coronavirus-free-access-collection
参考：
英・ケンブリッジ大学出版局（CUP）、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う学術機関支援強化として高等教育向け教科書700タイトルの無料公開等を実施
Posted 2020年3月23日
https://current.ndl.go.jp/node/40560
70以上の研究助成団体・出版者等が新型コロナウイルスに関する研究データ及び研究成果の広範かつ迅速な共有に関する声明に署名
Posted 2020年2月4日
https://current.ndl.go.jp/node/40157
