一般社団法人日本出版者協議会(出版協)が2020年9月4日付で、2020年6月末から7月はじめにかけて実施した「新型コロナウイルス感染症による影響についてのアンケート調査の結果」をウェブサイト上で報告しています。
出版協は、新型コロナウイルス感染症の拡大によって、会員各社が経営・出版活動にどのような影響を受けたのか、その現状を把握し、今後に向けてどのような対策を進めていくかを考える資料とする目的で、会員社73社、及び賛助会員が所属する9社の計82社に対してアンケート調査を行いました。調査の対象期間は2020年3月から5月までです。アンケート調査では、売上高など経営状況、書店営業や編集業務への影響などについての質問が行われ、23社が同調査へ回答しました。
出版協はアンケート調査の結果として、約8割の出版社が影響を受けたと回答したことや、回答社の売り上げが平均すると前年同期比で3割近く落ち込んだことなどを報告しています。また、8割弱の出版社が影響を受けたと回答している「著者との打ち合わせ」「校正作業」等の編集業務について、公共図書館の閉館が校正作業の遅れの一因となったことを指摘しています。
出版協は、2020年6月以降の新型コロナウイルス感染症による影響についても、同様のアンケート調査の実施を予定しています。
出版協「新型コロナウイルス感染症による影響についてのアンケート調査」(第1回)の結果報告(出版協,2020/9/4)
https://www.shuppankyo.or.jp/post/questionnaire200904
出版協 新型コロナウイルス感染症による影響についてのアンケート調査報告 (2020.7~8実施) [PDF:12ページ](出版協)
https://f94974f2-9f65-4f3d-b1b9-c6d03b6ada4d.filesusr.com/ugd/3bd40b_070c2945688b4239b6973845a2237df4.pdf
参考:
E2283 – 現在(いま)をアーカイブする:COVID-19図書館動向調査
カレントアウェアネス-E No.395 2020.07.30
https://current.ndl.go.jp/e2283
新型コロナウイルス感染症拡大下における米国の大学出版局(記事紹介)
Posted 2020年7月6日
https://current.ndl.go.jp/node/41434
米国出版協会(AAP)、2020年5月期の参加出版社の収益を公表:出版業界全体としては前年同期比12.1%減の約10億ドル、電子書籍・オーディオブックの収益は増加
Posted 2020年7月27日
https://current.ndl.go.jp/node/41577
出版コンサルタント会社Maverick Publishing Specialists、新型コロナウイルス感染症が英国の出版業界に与えた影響に関する調査報告書を公開
Posted 2020年8月4日
https://current.ndl.go.jp/node/41660