2020年4月15日、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)は、学術情報流通の多様性(“bibliodiversity”)の促進を関係コミュニティに呼びかけたペーパー“Fostering Bibliodiversity in Scholarly Communications – A Call for Action!”の公開を発表しました。
COARは、学術情報流通を含む健全なエコシステムにおける「多様性」を重要な特性とし、サービス・プラットフォーム・資金調達のメカニズム・評価手段の多様性が確保されることで、学術情報システムは様々な研究コミュニティのニーズや認識の相違をサポートしたワークフロー等を提供できるようになるとこと、独占・寡占・価格上昇につながるベンダーロックインのリスクを必然的に軽減できることに言及しています。また、オープンアクセス・オープンサイエンスへの移行等により、学術情報流通システムの多様性を促進する機会が訪れている一方で、多様性は統一されたアプローチでは追求できないこと、システム内のいくつかのコミュニティによる散発的な試みに終わらないためには調整が必要であることなども併せて指摘しています。
公開されたペーパーは、フランスの研究コミュニティによるオープンサイエンスと多様性に関する「ジョシュー宣言(Jussieu Call)」で述べられた原則に基づいて、学術情報流通の多様性の現状を検討しつつ、より明確な意思を持って多様性を実現するためにコミュニティが個別に、または団結して何ができるかを明記し行動を呼びかけた内容です。
ペーパーの全文はリポジトリZenodoからダウンロードできます。
Fostering Bibliodiversity in Scholarly Communications – A Call for Action!(COAR,2020/4/15)
https://www.coar-repositories.org/news-updates/fostering-bibliodiversity-in-scholarly-communications-a-call-for-action/
Fostering Bibliodiversity in Scholarly Communications: A Call for Action(Zenodo,2020/4/15)
https://doi.org/10.5281/zenodo.3752923
関連:
Jussieu Call for Open science and bibliodiversity
https://jussieucall.org/jussieu-call/
参考:
オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)、2020年の作業計画として“COAR Strategy 2019-2021 and Work Plan 2020”を発表
Posted 2019年12月17日
https://current.ndl.go.jp/node/39765