欧州研究図書館協会(LIBER)、著作権に関する緊急対応を求める声明を発表:新型コロナウイルス感染拡大下における遠隔教育及び研究の支援のため

2020年4月14日、欧州研究図書館協会(LIBER)は、新型コロナウイルス感染拡大下における遠隔教育及び研究の支援のため、著作権に関する緊急対応を求める声明を発表しました。

欧州委員会(EC)や加盟国政府に対しては、著作権指令の期間限定かつ目的論的解釈(purposive interpretation)の導入等を、出版社や著者、業界団体に対しては、特定個人への文献全文の提供、施設内閲覧に限定されている電子書籍への研究目的でのリモートアクセス、児童・学生・研究者のみを対象とした録音・録画及びストリーミングによる教育活動での著作物利用、公共図書館によるインターネット上での読み聞かせを可能とすることを求めています。

また、対策が求められる長期的な課題として、オープンアクセスモデルへの速やかな移行や、医学・環境・経済上の危機に備えた公益的保護(public interest defences)を国際・国内の著作権法に盛り込むこと等を挙げています。

Europe Must Take Urgent Copyright Law Action To Support Distance Learning & Research During the Coronavirus Pandemic(LIBER, 2020/4/14)
https://libereurope.eu/blog/2020/04/14/copyright-coronavirus-statement/

参考:
英国内の複数の図書館・高等教育関係組織が連名により新型コロナウイルス拡大危機の中での教育研究活動維持のため出版社等へ求める行動を示した共同声明を発表
Posted 2020年3月23日
https://current.ndl.go.jp/node/40563

国際図書館コンソーシアム連合(ICOLC)、世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大と図書館サービス・図書館資料への影響に関する声明を発表
Posted 2020年3月18日
https://current.ndl.go.jp/node/40538