2020年3月16日、韓国・文化体育観光部が、地方公共団体や教育庁に対し、地域書店認証制の導入を検討し、所管する公共・学校図書館といった公共機関が図書を購入する際に、地域の書店を優先するよう勧告しました。
プレスリリースによると、韓国では、2014年の改正出版文化産業振興法により、公共・学校図書館といった公共機関で図書を購入する際、図書定価制を適用し、価格競争力が低い地域書店も、図書館への図書の納入に参加できるようにしたものの、清掃業者・建設業者・飲食店といった他業種が書店業務を兼ね、図書の納入市場に参加する「幽霊書店」の登場により、図書定価制を通じた地域書店の共存という趣旨が弱体化していると指摘しています。
そこで、現在11の地方公共団体では、条例、指針、公告といった形で、実店舗を運営する地域書店か否かを確認して認証する「地域書店認証制」を実施しており、同部では同取組を全国に普及させるため、地域書店認証の最低基準を提示し、各地方公共団体の実情に応じた地域書店認証制の導入を要請したものです。地域書店から図書を購入することで、新型コロナウイルス感染症の影響で経営難に陥っている地域書店の収益を改善できるとも思われるとしています。
同部では、今後、実態を詳細に調査し、地域書店の認証制度と地域書店からの優先購入制度を普及させるために関連法・制度を整備していく計画としています。
지자체·교육청 등 공공기관 도서 구매 시 지역서점 우선 활용 권고(地方公共団体・教育庁等公共機関で図書を購入する際、地域の書店を優先活用するよう勧告)(韓国・文化体育観光部, 2020/3/16)
https://www.mcst.go.kr/kor/s_notice/press/pressView.jsp?pSeq=17869
参考:
韓国・文化体育観光部、改正図書定価制施行2年を受けての調査結果を発表
Posted 2016年12月5日
https://current.ndl.go.jp/node/33039
韓国図書館協会(KLA)と韓国書店組合連合会(KFOBA)、「本の生態系活性化のための業務協約」を締結
Posted 2018年5月31日
https://current.ndl.go.jp/node/36088
韓国・ソウル特別市、業界2位の出版取次の不渡りを受け、図書館での書籍購入等を通じた中小出版社の支援策を発表
Posted 2017年1月12日
https://current.ndl.go.jp/node/33236