英・Jisc、SHERPA RoMEO・Sherpa Fact新バージョンのテスト版を公開

2020年3月3日、英・Jiscのオープンアクセス(OA)チームは、JiscのサービスSHERPA RoMEO・Sherpa Factについて、それぞれ新バージョンのテスト版を公開したことを発表しました。

SHERPA RoMEOは、世界中の出版社のOAポリシーを集約・分析し、ジャーナルごとにOAによるセルフアーカイブの許諾条件・権利条件の概要を提供するオンライン情報源です。新バージョンの“v2. SHERPA RoMEO”は基礎データモデルの完全な更新が行われるとともにレイアウトの改善が行われています。原稿のバージョンごとに個別のセクションを設けるレイアウトに変更されたため、各ジャーナルのOAポリシーを原稿のバージョン別に理解しやすくなった、としています。また、ユーザーからのフィードバックを受けてウェブサイトの色使いの改善が行われた他、用語の変更、有料でOA化する条件についての情報の追加、出版社が著者に代わってPubMed Central(PMC)のようなリポジトリへ自動保存するかどうかに関する情報の追加なども行われています。

Sherpa Factは、ジャーナルが助成機関のOAポリシーに従っているかどうかを確認するためのサービスです。新バージョンの“v2. Sherpa Fact”では、SHERPA RoMEO、Sherpa Juliet、OpenDOARなど他のリニューアルされたサービスに揃える形でユーザーインターフェースが更新されています。ジャーナルのOAポリシーの情報源であるSHERPA RoMEOのデータモデルが改善されたことに伴って、助成機関・出版社のOAポリシーをより正確に処理できるようになった、としています。

テスト版は2020年4月9日まで利用可能で、Jiscは両サービスへのフィードバックを求めています。

v2.Sherpa Romeo and v2.Sherpa Fact now available for public testing(Jisc scholarly communications,2020/3/3)
https://scholarlycommunications.jiscinvolve.org/wp/2020/03/03/v2-sherpa-romeo-and-v2-sherpa-fact-now-available-for-public-testing/

v2. SHERPA RoMEO
https://v2.sherpa.ac.uk/romeo/

v2. Sherpa Fact
https://v2.sherpa.ac.uk/fact/

参考:
SHERPA、研究者が助成機関と雑誌のOA方針がマッチしているかを調べられるツールSHERPA/FACTを公開
Posted 2013年9月3日
https://current.ndl.go.jp/node/24300

英・Jisc、論文投稿先の雑誌がResearch Excellence FrameworkのOAポリシーに準拠しているかを確認できる“Sherpa REF”のBETA版を公開
Posted 2016年3月24日
https://current.ndl.go.jp/node/31098

学協会著作権ポリシーデータベース公開(日本)
Posted 2007年1月23日
https://current.ndl.go.jp/node/5286

CA1903 – 動向レビュー:研究助成機関によるオープンアクセス義務化への大学の対応―英国の事例― / 花﨑佳代子
カレントアウェアネス No.332 2017年6月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1903