韓−米FTAが図書館に及ぼす影響は?

韓国では、2005年2月から米国との自由貿易協定(FTA)締結に関する実務協議が行われています。このような状況の中、市民団体を中心に締結反対の運動が行われており、反対理由のひとつに「知的財産権の保護が強化されるのではないか」という懸念が上がっています。韓国では現在、利用者の利便性を重視する方向で著作権関係の法制化・運用が行われているが、これが妨げられるのではないか、という懸念です。この立場の人々が集まって、5月24日に「韓−米FTA 著作権分野大衆討論会(シンポジウム)」が行われました。

インターネットの報道メディア・真世中によると、図書館と直接関係する論点としては、複製可能な施設の定義、権利制限の範囲、コンピュータでの一時保存の可否、保護装置の要否、図書館補償金制度、デジタル化する場合の通知、ILL、米国の映画の上映(米国の映画の著作権保護期間は70年と、韓国の50年よりも20年長い)などが指摘されたとのことです。韓国図書館協会も、この韓−米FTAを注視しているようです。

韓米FTA 著作権分野大衆討論会 – 真世中
http://www.newscham.net/news/view.php?board=news&id=36303