韓国・ソウル特別市、「ソウル代表図書館」の建設を発表:同市の図書館政策の統括・第4次産業革命時代に必要な情報の提供・「ソウル情報」のハブ

2019年12月12日、韓国・ソウル特別市が、2025年に東大門区内に「ソウル代表図書館」をオープンさせると発表しました。

清凉里駅から徒歩10分の場所に、総額2,252億ウォンをかけて、延床面積3万5,000平方メートルの規模で建設されます。現在のソウル図書館の約3倍の規模で、2020年から手続きを開始し、2021年には国際コンペが行なわれる予定です。

同館は、同市が公共図書館インフラの拡充を目的に2019年8月に発表した「5つの圏域別市立図書館建設計画」の延長線上のものです。同館は、5つの圏域ごとの市立図書館と自治区の公共図書館を統合的に支援する図書館として位置付けられており、同市の図書館政策とサービスを統括する役目を果たします。

また、5つの圏域別市立図書館が地域の特徴とニーズにあわせた図書館として運営されるとすると、「ソウル代表図書館」は第4次産業革命時代に必要な未来の知識情報サービスを統合的に提供する空間として運営されます。また、同市に関する研究と出版活動を支援する「ソウル情報」のハブの役割も果たす計画であるとされています。

具体的には、第4次産業革命に関する資料の収集・提供、先端技術活用空間の運営、知識情報の共有・協力ネットワークの構築等を通した新技術開発の支援を行うとしています。特に、高齢者対象のデジタル教育や子供のための未来の職業体験空間など、第4次産業時代に必要な先端技術に触れ活用できるメイカースペースを運営するとしてます。

さらに「ソウル学」に関しては、ソウルに関する図書・歴史的資料に限らず、世界に広がっている韓民族の歴史記録・資料を収集提供し、ソウルを訪れる世界の人々が韓民族のことを知ってもらうことに貢献する予定としています。

あわせて、永登浦区内に、ミュージカル・管弦楽・コンサート・演劇等が可能な2,000席規模の「第二世宗文化会館」の建設も発表されています。

(기자설명회) 서울시, <서울대표도서관> <제2세종문화회관> 대형 문화인프라로 지역불균형 해소((記者説明会)ソウル市、<ソウル代表図書館><第2次世宗文化会館> 大規模文化インフラ 地域間格差の解消)(ソウル代表図書館, 2019/12/12)
http://www.seoul.go.kr/news/news_report.do#view/303501

서울시, <서울대표도서관> <제2세종문화회관> 대형 문화인프라로 지역불균형 해소 (ソウル市、<ソウル代表図書館><第2次世宗文化会館> 大規模文化インフラ 地域間格差の解消)(韓国国立中央図書館 World Library, 2019/12/23)
https://wl.nl.go.kr/usr/com/prm/BBSDetail.do?menuNo=12001&upperMenuId=12&bbsId=BBSMSTR_000000000455&nttId=5547

参考:
旧ソウル市庁舎を改修したソウル図書館が開館
Posted 2012年10月31日
https://current.ndl.go.jp/node/22212

韓国・文化体育観光部、公共図書館にメイカースペースを設置する試験運営事業を実施中:他の公共図書館での活用を目的に運用事例集を作成・配布
Posted 2018年10月30日
https://current.ndl.go.jp/node/36935

韓国・ソウル特別市、「全員が共存する図書館づくり」をメインテーマにアイデアソンとフォーラムを開催
Posted 2019年11月15日
https://current.ndl.go.jp/node/39516