韓国・ソウル特別市、「ソウル地域の公共図書館の司書等の感情労働者保護ガイドライン・マニュアル」の施行を発表

2020年8月18日、韓国・ソウル特別市が、「ソウル地域の公共図書館の司書等の感情労働者保護ガイドライン・マニュアル」の施行を発表しました。

暴言やセクハラといった感情労働に悩まされている公共図書館の司書を保護することが目的で、ガイドラインでは業務中に発生する可能性がある感情労働被害を予防するとともに、被害発生時の図書館と監督官庁(市・区役所、教育庁)が実行すべき組織レベルでの役割・責務を「7大指針」として示しています。

7大指針は以下の通りです。

・図書館運営方針に感情労働保護に関する指針を明示
・図書館労働者を尊重することに関し、市民から共感を得るための広報
・機関別の感情労働保護マニュアルの整備(利用者と対立した時に、解決のために司書に一方的・無条件の謝罪を強要しない等)
・感情労働教育の実施
・精神が消耗した際の適切な休憩の保障
・感情労働関連苦情処理制度の実施
・感情労働者保護の現状の点検と管理

ソウル図書館では、ガイドラインを8月中にソウル地域の176館に配布し、各館で感情労働者保護制度を策定する際の参考とする予定です。また、今回のガイドランが現場で効果的に運用されるよう、区立図書館5館において試験事業を行うとしています。試験事業においては、5館においてガイドラインを施行し問題点を改善するほか、ソウル図書館が研修を希望する館に対し、9月中に「感情労働に関する権利保障教育」を訪問実施し、司書等の図書館の感情労働者が自身の権利を認識できるようにするとしています。

서울시, 전국 최초 ‘공공도서관 사서 감정노동 피해예방’ 7대 지침 시행(ソウル市、全国初「公共図書館司書感情労働被害予防」7大指針志向)(ソウル特別市,2020/8/18)
https://www.seoul.go.kr/news/news_report.do#view/323093

서울시, 전국 최초 ‘공공도서관 사서 감정노동 피해예방’ 7대 지침 시행 (ソウル市、全国初「公共図書館司書感情労働被害予防」7大指針志向)(韓国国立中央図書館 World Library,2020/8/24)
https://wl.nl.go.kr/usr/com/prm/BBSDetail.do?menuNo=12001&upperMenuId=12&bbsId=BBSMSTR_000000000455&nttId=6084

参考:
韓国・ソウル特別市、公共図書館の司書の労働者としての権利と処遇改善のための対策を実施すると発表:条例の制定・賃金標準案の策定・感情労働に関するガイドラインの作成等
Posted 2020年2月12日
https://current.ndl.go.jp/node/40223