英国の機関リポジトリアグリゲーターCORE、Plan Sへの支持を表明

2019年12月9日、英国の機関リポジトリアグリゲーターCOREは、Plan Sに対する賛意を表した声明“CORE welcomes Plan S”を発表しました。

COREは、多数の学術コミュニティから支持されたPlan S原則に賛同し、様々なリポジトリや雑誌からオープンアクセス(OA)の研究成果を集約し広く利用可能なものにするという自らの使命によって、次の点でPlan Sの実現に貢献可能であることを表明しています。

・リポジトリへの論文登録や研究助成機関のポリシー準拠に関するモニタリング。CORE独自の貢献として、論文の出版・受理からリポジトリへの登録までのタイムラグの計測。
・“CORE Repository Dashboard”サービスを介して、リポジトリ内のデータの標準規格(OAI-PMH・ダブリンコア・ResourceSync)への準拠状況の確認、データ配信に関するトラブル解決、RIOXX対応のメタデータ検証等を実施することによるリポジトリ間の相互運用性確保の支援。
・Crossref等の外部データベースを利用し永続識別子を付与することによる収集データのリッチ化。書誌データと登録されたフルテキストデータとのリンク形成。
・メタデータや書誌レコードとCOREや各リポジトリに登録されたOAのフルテキストデータとのリンク形成。
・各リポジトリから収集されたコンテンツへアクセスするためのAPI提供。

また、Plan Sが実現にあたって求める要件は次のような点でCOREに好影響を与え、結果として多くのユーザーにとっても価値のあるものになる、としています。

・コンテンツに対して明確なOAライセンスが適用されることにより、COREがコンテンツ収集を行う際の障壁が除去される
・JATS XMLのようにテキストマイニング可能なフォーマットでの登録が進むことで、グローバルな分析やテキストマイニングにおいてCOREの重要性が高まる
・リポジトリに対して永続識別子の付与されたエンティティの公開を求めることにより、研究助成機関が助成の効果をモニタリングしたり把握する際にCOREの重要性が高まる

CORE welcomes Plan S(CORE blog,2019/12/9)
https://blog.core.ac.uk/2019/12/09/core-welcomes-plan-s/

参考:
大学・研究図書館協会の国際的な連合体IARLA、Plan Sに対する声明を発表
Posted 2019年10月28日
https://current.ndl.go.jp/node/39358

オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)とcOAlition S、リポジトリのPlan Sへの準拠を支援するため協力することを発表
Posted 2019年10月8日
https://current.ndl.go.jp/node/39212

La Referenciaのポータルサイトに英・COREが提供する関連記事推薦機能“CORE Recommender”が実装される
Posted 2019年11月27日
https://current.ndl.go.jp/node/39600