2019年8月29日、Coalition Sは、世界保健機関(WHO)が国際連合の機関として初めてCoalition Sに参加したことを発表しました。
これによりWHOの支援を受けた全ての医療研究が出版後すぐにオープンアクセス(OA)となることが保証される、としています。また、WHOの組織で、貧困層の疾患の根絶に取り組んでいる熱帯病研究訓練特別計画(TDR)もWHOとともにCoalition Sへ参加しています。
WHOは医療情報とそのエビデンスの普及・OA化の取り組みを以前から実施しており、2002年に設立され現在では120か国の医療従事者・研究者へ1万5,000の医学雑誌へのアクセスを提供するプログラム“Hinari Access to Research for Health Programme”、2014年のOA方針導入とこれに伴うEurope PMCへの研究成果物公開、2016年のOA方針拡大による全てのWHO出版物の機関リポジトリ(IRIS)での公開などが行われています。また、TDRはOA出版プラットフォーム“TDR Gatewway”を開発し、TDRの支援を受けた研究者へ研究成果をOAで公開する機会の拡大を提供しています。
World Health Organization and TDR Join cOAlition S to Support Free and Immediate Access to Health Research(cOAlition S,2019/8/29)
https://www.coalition-s.org/who-joins-coalition-s/
WHO joins coalition for free digital access to health research(WHO,2019/8/29)
https://www.who.int/news-room/detail/29-08-2019-who-joins-coalition-for-free-digital-access-to-health-research
参考:
世界保健機構(WHO)、医薬品の安全性に関するオープンアクセスのデータベースを公開
Posted 2015年4月23日
http://current.ndl.go.jp/node/28367
Europe PMC、WHOの参加を発表
Posted 2014年5月2日
http://current.ndl.go.jp/node/26066
ヨルダンの科学技術高等審議会がCoalition Sに参加:中東の機関としては初
Posted 2019年4月3日
http://current.ndl.go.jp/node/37946
cOAlition S、オランダ・ライデン大学教授のJohan Rooryck氏を“Open Access Champion”に任命
Posted 2019年8月29日
http://current.ndl.go.jp/node/38908
Coalition S、「Plan Sの実現にかかる手引き」の改訂を発表:効力発生は2021年1月1日からへ延期
Posted 2019年6月6日
http://current.ndl.go.jp/node/38293