2019年8月26日、米国図書館協会(ALA)の知的自由委員会(IFC)は、「図書館の権利宣言」(Library Bill of Rights)の新版を見据えて、新たに浮上した知的自由に関する諸問題に対処できるように、知的自由に関する既存の方針・ガイドライン等の改訂や新規作成を実施したことを発表しました。
改訂・新規作成されたポリシー・ガイドライン等は2019年のALA年次大会で承認されており、ALAのウェブサイト上で利用可能になっています。
「図書館の権利宣言」の解説については以下について改訂が実施されています。
・デジタル資料・サービスへのアクセス(Access to Digital Resources and Services)
・未成年者の図書館資料・サービスへのアクセス(Access to Library Resources and Services for Minors)
・蔵書構成の多様性(Diverse Collections)
・情報アクセスと経済的障壁(Economic Barriers to Information Access)
・教育と情報リテラシー(Education and Information Literacy)
・図書館コレクションの評価(Evaluating Library Collections)
・図書館主催プログラムと展示(Library-Initiated Programs and Displays as a Resource)
・未成年者によるインターネットでの活動(Minors and Online Activity)
・プライバシー(Privacy)
・格付けシステム(Rating Systems)
・図書館の検索環境下における利用者作成コンテンツ(User-Generated Content in Library Discovery Systems)
・利用者主導の展示企画(User-Initiated Exhibits, Displays, and Bulletin Boards)
また、ラベリングと格付けシステム(Labeling and Rating Systems)・プライバシーと機密性(Privacy and Confidentiality)に関するQ&Aの改訂、図書館でのRFID(RFID in Libraries)・図書館の方針(Library Policies)・利用者行動と図書館利用の方針・手続き作成(Development of Policies and Procedures Regarding User Behavior and Library Usage)に関するガイドラインの改訂、図書館内の集会室(Meeting Rooms)に関するQ&Aの作成、知的自由のアドヴォカシーと教育(Intellectual Freedom Advocacy and Education)に関する声明の公開も行われています。
現在準備中の「図書館の権利宣言」第10版は、これらの改訂・新規作成事項の大半や知的自由に関わる諸問題の傾向を示した文書を含む形で、2020年中に利用可能になる予定です。
Revised and new intellectual freedom policies and resources available from ALA, IFC(ALA,2019/8/26)
http://www.ala.org/news/member-news/2019/08/revised-and-new-intellectual-freedom-policies-and-resources-available-ala-ifc
参考:
米国図書館協会(ALA)、「図書館の権利宣言」(Library Bill of Rights)を改定:利用者のプライバシーと機密性保持に関する条項を追加
Posted 2019年2月12日
http://current.ndl.go.jp/node/37561
米国図書館協会(ALA)知的自由委員会、「図書館の権利宣言」に利用者のプライバシーと機密性の保持に関する条項を追加する改訂案を公開
Posted 2018年12月19日
http://current.ndl.go.jp/node/37256