米国の書籍産業研究グループ(BISG)、オープンアクセスの単行書の利用状況に関するホワイトペーパーを公表

2019年5月5日、米国の書籍産業研究グループ(BISG)が、オープンアクセス(OA) の単行書の利用状況に関するホワイトペーパー“Exploring Open Access Ebook Usage”の公表を発表しました。ホワイトペーパーは“Humanities Commons”(Modern Language Associationが運営する研究者コミュニティ)のリポジトリで公開されています。

ホワイトペーパーでは、オープンアクセス(OA)の単行書の著者・出版者・資金提供者・ベンダー・図書館・読者といったステークホルダーが利用実績データ(Usage data)へ包括的にアクセスして、電子書籍がどこでどのように利用されているかに関する戦略的洞察を得られるよう、ステークホルダー間の利用実績データ共有体制(データ・トラスト)構築を提言しています。

また、今後達成すべきこととして以下の6点を提言しています。
1.
データ・トラストの運営体制と組織構成を定めて、優先順位を明確にすること
2.
定義された運営体制と組織構成を実装する試験的なサービスを立ち上げること
3.
OAの単行書の利用実績データに関係するオープンソースの諸技術をステークホルダーの垣根を越えて実装し拡張すること
4.
OAの単行書の利用実績情報から恩恵を受ける人や、そのような人のニーズにデータ・トラストが役に立つための方法を示すペルソナ(架空のユーザー)とユース・ケースを開発すること
5.
米国・欧州を中心に世界の各地域に展開されているOAの単行書市場をまたいだ体制を構築すること
6.
紙の書籍のそれと比べて不明瞭なOAの単行書の供給システムの全体像を明瞭にすること

BISG Releases White Paper on Open Access Ebook Usage(BISG,2019/5/5)
https://bisg.org/news/449950/BISG-Releases-White-Paper-on-Open-Access-Ebook-Usage.htm

Exploring Open Access Ebook Usage [PDF:15ページ](Humanities Commons)
http://dx.doi.org/10.17613/8rty-5628

参考:
米BISG、電子書籍の購読モデルに関する調査結果のレポートを刊行
Posted 2014年7月28日
http://current.ndl.go.jp/node/26666