2018年8月にマレーシアのクアラルンプールで開催される第84回世界図書館情報会議(WLIC)・国際図書館連盟(IFLA)年次大会での発表資料として、スペインのカタルーニャ州・ビラノバにあるArmand Cardona Torrandell図書館のSusana Peix Cruz氏による“Inclusive Libraries: Architecture, Services, Library Collections and Training Combine in an Acessibility Project in the Libraries of Catalonia ”と題する文献が公開されています。
同文献では、まず、2015年に開始された、カタルーニャの公共図書館ネットワークによるInclusive Libraries Projectが紹介されています。
同プロジェクトでは、公共図書館利用における既存の障壁を特定・改善するために、建築、サービス・アクティビティ、蔵書、研修の4つのワーキンググループが設置され、アクセシブルな図書館モデルのための提言が策定されたとのことです。
また、2017年からはカタルーニャの全図書館員を対象に障害者サービスに関する研修が実施されていることや、完全にインクルーシブな図書館を実現するための戦略計画策定のための調整が行われていることが紹介されています。
最後に、インクルーシブを実現したカタルーニャの公共図書館の事例として、
・19世紀に煉瓦、石造りで建設されたタラゴナ公共図書館の改築工事
・館内サイン、障害者向けのチラシの作成、誘導ループ・読書支援機器の設置、障害者グループ向けのアクティビティの実施といった事業を実施したArmand Cardona Torrandell図書館(2003年建築)
・英国の環境性能評価システムBREEAMの認証を受けたMontserrat Abello図書館(2018年建築)のアクセシビリティの考えを取り入れた館内設備、什器
を紹介しています。
Inclusive Libraries: Architecture, Services, Library Collections and Training Combine in an Acessibility Project in the Libraries of Catalonia (IFLA Library)
http://library.ifla.org/2263/
Inclusive Libraries: Architecture, Services, Library Collections and Training Combine in an Acessibility Project in the Libraries of Catalonia [PDF:658kB]
http://library.ifla.org/2263/2/127-peix-cruz-en.pdf
参考:
ユニバーサルデザインに基づいた英国の公共図書館建築の事例(文献紹介)
Posted 2018年8月7日
http://current.ndl.go.jp/node/36452