東京国立近代美術館フィルムセンターBDCプロジェクト、「映画の孤児著作物のデジタル利用に関する法制度報告書」を公開

2017年5月17日、文化庁の文化芸術振興費補助金(美術館・歴史博物館重点分野推進支援事業)の交付を受けて実施している、東京国立近代美術館フィルムセンターの「映画におけるデジタル保存・活用に関する調査研究事業(BDCプロジェクト)」が「映画の孤児著作物のデジタル利用に関する法制度報告書」を公開しました。

映画を保存するアーカイブ機関でのデジタルアーカイブ構築のためには、映画作品をめぐる複雑な著作権等の権利を適切な形で処理する必要があり、いまだ多くの課題が伴うことから、関連する法制度の現状を正しく把握し、今後の活動の基礎となる法的知識を広く共有するため、五常法律会計事務所へ委託し調査したものです。

報告書では、現在の日本の法環境において、アーカイブ等が保存する映画や孤児作品(著作権者等権利者不明の作品)を適法にデジタル利用するためにはどのような方法が考えられるのか、現状の法制度の可能性と限界を軸に、法律家の視点から考察を加えつつ、解説しているほか、オランダ及び英国のフィルムアーカイブ実務と法制度に関する事例も紹介しているとのことです。

デジタル映画の保存・活用に係る法制度等に関する調査(BDCブログ,2017/5/17)
http://www.momat.go.jp/nfc_bdc_blog/2017/05/17/%E3%83%87%E3%82%B8%E3%82%BF%E3%83%AB%E6%98%A0%E7%94%BB%E3%81%AE%E4%BF%9D%E5%AD%98%E3%83%BB%E6%B4%BB%E7%94%A8%E3%81%AB%E4%BF%82%E3%82%8B%E6%B3%95%E5%88%B6%E5%BA%A6%E7%AD%89%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99/

映画の孤児著作物のデジタル利用に関する法制度報告書
http://www.momat.go.jp/fc/wp-content/uploads/sites/5/2017/05/NFC_BDCh28report_GojoPartners_.pdf

参考:
E1895 – 「日本アニメーション映画クラシックス」の公開について
カレントアウェアネス-E No.322 2017.03.23
http://current.ndl.go.jp/e1895

東京国立近代美術館フィルムセンター、米国映画技術アカデミーのデジタル映画の長期保存に関する報告書“The Digital Dilemma 2”(2012年)を翻訳し、公開
Posted 2016年4月4日
http://current.ndl.go.jp/node/31216