住民の健康と公共図書館の役割(米国)(文献紹介)

2016年11月刊行のHealth Affairs誌の35巻11号に、住民の健康にとっての公共図書館の役割について調査した論文“Beyond Books: Public Libraries As Partners For Population Health”が掲載されています。

同論文は、米・ペンシルベニア州のフィラデルフィア自由図書館とペンシルベニア大学医学大学院による、住民、図書館職員及び同館のプログラムを対象とした共同調査の結果です。

本文は有料ですが、Abstractや同大学院のNews Releaseによると、米国でも割合が高い、同市の貧困層、低学歴層の公衆衛生にとって、同館が重要な位置を占めていることや、そのような社会的ニーズに対して、図書館員は準備不足やプレッシャーを感じていることがわかったとのことです。

そこで、同館と同大学院では“The Healthy Library Initiative”を締結し、図書館員を、そのような利用者を理解し、積極的にコミュニケーションを取り、適切な地域のサービスへと案内できる地域の健康専門家として育成するパイロットプログラムを開始させたとのことです。

Beyond Books: Public Libraries As Partners For Population Health. Health Affairs. 2016, 35(11), p.2030-2036.
http://doi.org/10.1377/hlthaff.2016.0724

Penn Program Trains Librarians to Improve Public Health and Welfare(Penn Medicine,2016/11/9)
http://www.uphs.upenn.edu/news/News_Releases/2016/11/library/

The Healthy Library Initiative
http://www.healthylibrary.org/

参考:
諸機関との連携による市民の医療リテラシーの強化(クロアチア)(記事紹介)
Posted 2016年6月16日
http://current.ndl.go.jp/node/31818