韓国国立中央図書館、組織改編を実施:古文献課や資料保存研究センターの設置など

2016年9月29日、韓国国立中央図書館(NLK)は、同日付で組織改編を実施したことを発表しています。

新設された古文献課では、NLKが所蔵する約28万冊の古文献の管理のほか、国内に所在する古書(約321万冊)や古文書(107万点)、海外に流出した古文献(約10万点)など国内外の約440万点の古書・古文献の管理、保存、利用に関する支援と調整を担当します。

図書館研究所を改変して設置された資料保存研究センターでは、韓国国内で問題となっている近代資料の脱酸性化処理や、デジタルデータの長期保存問題についての国家レベルでの対策を担当します。

その他、オンラインで流通している資料の増加に対応するため、逐次刊行物課を廃止し、既存の書籍・逐次刊行物・オンライン資料といった「媒体」を基準とした組織をやめ、オンライン・オフライン資料に関わらず、図書館資料の収集-整理-サービス-保存といった「機能」を基準とした組織に改めています。

국립중앙도서관, ‘고문헌과 신설’조직 개편 (NLK,2016/9/29)
http://www.nl.go.kr/nl/commu/libnews/article_view.jsp?board_no=8766&notice_type_code=3&cate_no=0

参考:
韓国国立中央図書館、国外所在の韓国関係の古文献の調査・活用の推進のため、国外所在文化財財団と業務協約を締結
Posted 2016年3月2日
http://current.ndl.go.jp/node/30908

韓国国立中央図書館、古文献無料相談サービスを開始
Posted 2016年1月25日
http://current.ndl.go.jp/node/30527

E740 – 韓国国立中央図書館,LCが所蔵する韓国古書のデジタル化を発表
カレントアウェアネス-E No.121 2008.01.23
http://current.ndl.go.jp/e740

韓国国立中央図書館、米・Preservation technologies社製の大量脱酸性化処理装置を購入:同館に資料保存研究センターを設置し資料の委託保存・復元処理を実施
Posted 2016年7月6日
http://current.ndl.go.jp/node/32016

E1836 – オンライン資料の納本制度の現在(4)韓国
カレントアウェアネス-E No.310 2016.09.01
http://current.ndl.go.jp/e1836