米国芸術科学アカデミーの“Humanities Indicators”による、米国民の読書状況分析(記事紹介)

米国芸術科学アカデミーによる、各種統計に基づいた米国における人文学の客観的な状況を提示するプロジェクト“Humanities Indicators”において、ウェブサイトに“Time Spent Reading”と題した記事が2016年9月付で掲載されています。

2016年6月に公開された、米国労働省労働統計局による15歳以上の米国民を対象とした、時間消費に関する調査“American Time Use Survey”を基に、読書時間(週末や祝日に余暇として読書する時間(1日当たり))について、2005年以降のデータとともに調査・分析したものです。

・2015年の読書時間は21分で、2005年から6分ほど減少した。
・学歴別に見ると、高学歴であるほど費やす時間が長いという相関があり、2015年時点の高校を卒業していない人の8分に比べ、大学卒業者は32分と、4倍となっている。
・学歴別に2005年と2015年の読書時間比較すると、下げ幅が大きいのは大学卒業者で、45分から2015年は30分に減少している。
・年齢別に読書時間を比較すると、高い年齢層の人々は一貫して読書時間が長く、例えば、75歳以上の人々は2015年時点で65分を費やしている。一方で15歳から44歳までの年齢層は7~12分程度の読書時間で、2005年または2006年のデータと比較しても読書時間が減少している(ただし、15~19歳の年齢層は除く)。

といった結果が示されています。

Time Spent Reading(Humanities Indicators)
http://www.humanitiesindicators.org/content/indicatorDoc.aspx?i=11094

American Time Use Survey(Bureau of Labor Statistics)
http://www.bls.gov/tus/overview.htm

American Time Use Survey(Bureau of Labor Statistics, 2016/6/24更新)
http://www.bls.gov/news.release/atus.toc.htm

American Time Use Survey – 2015 Results(Bureau of Labor Statistics, 2016/6/24)
http://www.bls.gov/news.release/pdf/atus.pdf

参考:
米国芸術科学アカデミー、米国の人文科学の情報、統計等をオンラインで公開-ベンチマークのプロトタイプも発表
Posted 2009年1月9日
http://current.ndl.go.jp/node/10259

Pew Research Center、2016年の米国民の読書状況について報告書を公表
Posted 2016年9月2日
http://current.ndl.go.jp/node/32452