高齢化社会における公共図書館の存在意義(米国)(記事紹介)

2016年9月20日付のLibrary Journal誌(オンライン)は、米国が、2050年に21%の国民が65歳以上となる「超高齢化社会」を迎えるにあたり、高齢者のニーズを満たすために図書館は変化しなければいけないとし、米・ワシントン州のキング郡図書館システムのサービスを紹介しています。

同記事では、同館による、高齢者のみとは限定せず、多くの世代を包摂する形でのプログラムの実施や資料の提供といった事例を挙げ、65歳以上の高齢者は、自身を人生の最後の時とは思っておらず、新しい人生の始まりと考えており、身体的な制約を支援するためのプログラムは必要だとしても、個人の人間的、経済的、社会的成長のためのプログラムの拡充は必須であり、そのなかでも公共図書館は、知識基盤、社会的機関として、「人生の後半」を再定義し、その見方をコミュニティにとってより包摂的にすることを促すために必要な独自の空間・資源として位置付けられると指摘しています。

Aging in the 21st Century:As the vocal baby boom generation gets older, aging itself has become a growing topic of conversation. Libraries—and their raisons d’être—are not immune from this fundamental shift.(Library Journal,2016/9/20)
http://lj.libraryjournal.com/2016/09/library-services/aging-in-the-21st-century-thorndike-press/

参考:
E1669 – 高齢社会における図書館について考えるシンポジウム<報告>
カレントアウェアネス-E No.280 2015.04.23
http://current.ndl.go.jp/e1669

CA1732 – 動向レビュー:高齢者向けの図書館サービス / 堀 薫夫
カレントアウェアネス No.306 2010年12月20日
http://current.ndl.go.jp/ca1732

E481 – 元気な高齢者への図書館サービスの在り方(米国)
カレントアウェアネス-E No.82 2006.05.10
http://current.ndl.go.jp/e481

CA1019 – 高齢化社会の図書館サービスとは / 飯倉忍
カレントアウェアネス No.192 1995.08.20
http://current.ndl.go.jp/ca1019

CA891 – 高齢者の読書要求:ピッツバーグにおける調査 / 諏訪康子
カレントアウェアネス No.168 1993.08.20
http://current.ndl.go.jp/ca891