フランスの学術出版社EDP Sciences、OA出版の新しい価格モデル“Liberty APC”を提示

2016年2月16日、フランスの学術出版社EDP Sciencesは、著者が論文をオープンアクセス(OA)で出版する際に、著者自身で公正な価格を選択する新しい価格モデル“Liberty APCs”を提示しました。

この価格モデルでは、著者が論文を出版するために支払うAPCを、2016年支払額が0ユーロの場合も含めさまざまな選択肢から決定できます。例えば資金提供団体・所属機関・所属組織など、著者が資金調達のあらゆる選択肢について検討することが期待されていますが、支払うのに公正と感じる金額は著者が決定することになります。

EDP Sciencesの社長Jean-Marc Quilbé氏は「この価格モデルで、著者がOA出版の発展に関わる意思があるかどうか、コストが障害になっているかどうかを知りたい。また、我々は著者がみな同じように資金調達出来るとは限らないことを知っており、このモデルを通じてOA出版の機会を提供することを目指す」と述べています。

EDP Sciences reinforces its support of Open Access publishing with the launch of Liberty APCs (EDP sciences、2016/02/16)
http://publications.edpsciences.org/component/content/article/39-news/2437-edp-sciences-reinforces-its-support-of-open-access-publishing-with-the-launch-of-liberty-apcs-2016-02-16

French STM publisher launches zero-APC option(Research information、2016/02/18)
http://www.researchinformation.info/news/news_story.php?news_id=2088

EDP Sciences Offers New OA Model(Information Today、2016/02/18)
http://newsbreaks.infotoday.com/Digest/EDP-Sciences-Offers-New-OA-Model-109197.asp

参考:
Taylor & Francis社とEIFLが、開発途上国の研究者が、APC(論文処理費用)の大幅な値引きもしくは無料で、研究成果をオープンアクセス(OA)で公開できる協定を締結
Posted 2015年11月13日
http://current.ndl.go.jp/node/29964

De Gruyter社、二重課金を防止するために新しいオープンアクセスの価格モデルを提示
Posted 2015年10月13日
http://current.ndl.go.jp/node/29627