‘Jounal of Information Literacy’誌で、「アメージング・ライブラリー・レース」(Amazing Library Race)という米国の大学図書館におけるオリエンテーションに関し、学生の主体的学習の到達度や学習理解度を調査・分析した論文が掲載されています。
「アメージング・ライブラリー・レース」は、大学1年生向けの図書館オリエンテーションの名称で、説明を受けた後、図書館の様々な部門とサービスに関して課題が課され、3~5人程度のグループで取り組むもので、米国のテレビ番組“The Amazing Race”に肖って名づけられたようです。2006年にアリゾナ大学で初めて実施されて以降、学生の情報リテラシーを評価するために改良され、実施されているものとのことです。
この論文では、「アメージング・ライブラリー・レース」の有効性を評価するに当たって、ルーブリック(rubric)が開発されており、(1)「アメージング・ライブラリー・レース」に参加した学生を14時間観察した結果と(2)学生グループが課題に取り組んだ結果(64件)を数値化したデータ(例:ワークショップで制限時間内に課題をクリアできた学生の割合、課題に対するミスの数等)から、IBM社の統計解析ソフト“SPSS”なども用いて分析が行われています。
結論として、この論文では「アメージング・ライブラリー・レース」は成功(successful)であるとされており、そのほか、大学図書館における問題基盤型学習の有効性等についても示唆されています。
Katherine Boss, Katelyn Angell, Eamon Tewell. The Amazing Library Race: tracking student engagement and learning comprehension in library orientations. Jounal of Information Literacy, 9(1), 2015, pp.4-14. doi: 10.11645/9.1.1885
http://ojs.lboro.ac.uk/ojs/index.php/JIL/article/view/PRA-V9-I1-1/2125
参考:
E1103 – 大学図書館の価値に関する報告書(米国)
カレントアウェアネス-E No.180 2010年10月7日
http://current.ndl.go.jp/e1103