2013年1月7日、日本社会学会が「『社会学評論』の現状と課題――若手支援のために・自己点検のために」と題した報告書を、学会ウェブサイト上で刊行しました。
これは、同学会の査読誌『社会学評論』の編集委員会の立場から、若手支援の可能性を探ること、及び若手支援を視野に入れつつ『社会学評論』をめぐる現時点での自己点検を行うことの2つの目的のもとに作成されたものです。
この報告書の第1部では、『社会学評論』の査読システムの歴史的経緯を解説し、投稿数の経年比較・掲載率の経年比較等を行っています。なかでも、学会員では有職と思われる一般正会員が多数であるにもかかわらず、投稿者の職位別データを検討すると、同誌の自由投稿欄が院生や非常勤講師等の若手による投稿によって支えられていることが明らかになったとのことです。
第2部では、編集委員会内で対応が検討さているテーマである「(投稿者の)辞退」問題についてインタビューデータに依拠しながら検討を行い、その背景に同誌をめぐる構造的変動(例:博士号取得要件としての査読誌論文投稿という問題等の存在)があると主張されているとのことです。また、それらを踏まえた展望と全体のまとめがなされています。
「『社会学評論』の現状と課題――若手支援のために・自己点検のために」報告書 (日本社会学会 2013/1/7付けの記事)
http://www.gakkai.ne.jp/jss/2013/01/07112728.php