2012年8月23日付けの富山大学附属図書館のブログ“Let’s enjoy Library Life!”の記事によると、2011年に同大学のヘルン文庫で発見された、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)研究に新たな光を当てる英文リーフレット“The Great Disaster in Japan, 15th June, 1896”(日本での大災害 1896年6月15日)の部分翻訳が、同大学の学術情報リポジトリToRepoで公開されたようです。
公開された資料は、2011年に当該資料を発見した、ハーン研究者である明治大学兼任講師の中川智視氏がその一部を翻訳紹介したものです。資料は、明治当時に横浜で発行され、ハーンをはじめ日本に関心のある外国人にとって大切な情報源の一つだった『ジャパン・ガゼット』紙の記者が、明治三陸地震の津波被災地を巡り、生存者の証言や、外国人記者から見た被災の状況などをまとめたものとのことです。
ハーンは、明治三陸地震後の同年冬、防災民話として有名な『稲むらの火』の原作となる作品“A Living God”(生き神)を発表、また1894年には評論『地震と国民性』を執筆するなど、日本の地震災害に関する複数の文章を残していることから、この資料がハーンの防災研究者としての側面に新たな光を当てることになるとされています。
ハーンとTSUNAMI -THE Great Disaster in Japan JUNE 15th. 1896 (ToRepo内の掲載ページ)
http://hdl.handle.net/10110/9326
ヘルン文庫から発見された明治三陸沖地震の資料について (Let’s enjoy Library Life! 2012/8/23付けの記事)
http://u-toyamalib.blogspot.jp/2012/08/blog-post_23.html