2023年12月21日、プレプリントサーバーのarXivが、論文のHTML形式での提供を12月18日から開始したと発表しました。
視覚障害やディスレクシア等の障害があるユーザーが、論文によりアクセスしやすくすることを目的としています。発表時点では、2023年12月1日以降にTeX/LaTeX形式で提出された論文が対象ですが、最終的にはそれ以前に投稿された全論文にも拡大することを目指すとあります。
HTML形式への変換はまだ実験段階であり、全ての論文を正確に変換できるわけではないと述べた上で、著者には投稿時に表示されるプレビューを慎重に確認するよう推奨するとあります。
Accessibility update: arXiv now offers papers in HTML format(arXiv, 2023/12/21)
https://blog.arxiv.org/2023/12/21/accessibility-update-arxiv-now-offers-papers-in-html-format/
参考:
プレプリントサーバarXiv、米・サイモンズ財団と全米科学財団から総額1,000万ドル以上の支援を獲得:システムのクラウド移行やアクセシビリティ向上へ [2023年10月27日]
https://current.ndl.go.jp/car/194669
「アクセス」と「アクセシビリティ」は別物:研究論文を真にオープンにするためのフレームワーク(記事紹介) [2023年02月01日]
https://current.ndl.go.jp/car/171810
安形 輝, 宮田洋輔, 池内 淳. 日本の機関リポジトリにおけるPDFファイルの長期保存とアクセシビリティ. カレントアウェアネス. 2021, (349), CA2004, p. 9-11.
https://current.ndl.go.jp/ca2004