ドイツのゲーテ・インスティトゥートとZfB社が、タイ洪水で被災した資料の救済活動を実施

ドイツのゲーテ・インスティトゥートが、2011年のタイ洪水で被災した資料を救済する活動を行っているそうです。その紹介記事では、バンコク北部のアユタヤにあるマハ・チュラロンコン仏教大学等の被災状況、資料保存の専門家であるZentrum für Bucherhaltung(ZfB)社のManfred Anders氏らが現地入りして行っている救済活動の様子について報告されています。同社は、1990年代にドイツ国立図書館の職員を中心に設立された企業で、脱酸処理、カビの除去、自然災害対応などを専門としており、2002年のエルベ川の氾濫、2004年のアンナ・アマーリア公爵図書館の火災、2009年のケルン市歴史文書館の倒壊においても活動してきたとされています。被災資料のうち特に貴重なものについては、現在冷凍されており、今後ZfBで真空凍結乾燥及びガンマ線による処理がなされるそうです(この作業にかかるコストは1kgの紙あたり35ユーロとのことです)。

Thailand: Save the Books! (Goethe Institut 2012/1/17付け情報)
http://www.goethe.de/uun/bdu/en8678937.htm

ZfB
http://www.zfb.com/

参考:
2011年のタイ洪水による図書館への被害状況
http://current.ndl.go.jp/node/20123

E239 – ドイツのアンナ・アマーリア公爵図書館で火災
http://current.ndl.go.jp/e239

倒壊したケルンの歴史文書館でのブルーシールドの資料保存活動
http://current.ndl.go.jp/node/13918