2011年5月23日付けのChronicle of Higher Educationに、“Gaming the Archives”という記事が掲載されています。記事では、大学図書館等の多くの機関において、所蔵しているアーカイブズ資料へのメタデータ付与が資金とマンパワーの関係から難しいとされていることを踏まえ、そのメタデータ付与の作業をゲームにして公開することで、図書館員以外の協力を得て行おうとする取組み“MetaData Games”を紹介しています。この“MetaData Games”を開発したのは、米国・ダートマス大学でデジタル人文学を教えるMary Flaganan氏と同大学のアーキビストPeter Carini氏らとのことです。ゲームでは、一人用あるいは二人用プレイが可能で、それぞれ画面に表示されるデジタル化された写真資料に対してタグをつけるようになっているようです。大学のアーカイブズから200点の画像を選択し、それをテスト環境で実験したところ、1画像あたり約32もしくは33件のタグがプレイヤーによって付与されたとのことで、Flaganan氏は「(付与された)メタデータの90%以上は役立つものだったと言ってよいと思う。」とコメントしているようです。なお、このゲームは2011年夏の公開を予定しており、オープンソースとして提供されるようです。
MetaData Games (tiltfactorのウェブサイト)
http://www.tiltfactor.org/metadata-games
Gaming the Archives (Chronicle of Higher Education 2011/5/23付けの記事)
http://chronicle.com/blogs/wiredcampus/gaming-the-archives/31435
Digital game helps tag College photo archives (Dartmouth.com 2011/5/25付けの記事)
http://thedartmouth.com/2011/05/25/news/metadata
参考:
OCRによって作成されたテキストの修正作業をゲームで行うプロジェクト(フィンランド)
http://current.ndl.go.jp/node/17582