スペイン文化省がレポート「スペインにおける電子書籍の現状と展望」を刊行

2011年4月12日、スペイン文化省内の組織で、同国の読書や書籍の現状を調査している“Observatorio de la Lectura y el Libro”が、「スペインにおける電子書籍の現状と展望」“Situación actual y perspectivas del libro digital en España”と題するレポートを刊行したようです。レポートは、電子書籍の進展が同国の出版業界と読者にどのようなインパクトを与えたか、デジタルコンテンツの供給にどのような影響を与えているかを明らかにしたものとのことです。レポートでは、KindleやiPad等の電子書籍端末やタブレット端末の動向、それら端末で利用するデジタルコンテンツの状況と今後の予測、EPUB等のフォーマットやデジタル著作権管理(DRM)等の議論が展開されているようです。これらのトピックのうち特に図書館に関わる項目としては「DRMとそれが図書館に与える衝撃」があり、そこでは米国のHarperCollins社による電子書籍貸出回数の上限設定問題と、DRMに反対する“ReadersBillofRights.info”という活動等が紹介されているようです。

Situación actual y perspectivas del libro digital en España (PDF版)
http://www.mcu.es/libro/docs/MC/CD/Ebook_2010.pdf

El Observatorio de la Lectura y el Libro publica un informe sobre el libro digital (Ministerio de Cultura 2011/4/13付けのPDF版プレスリリース)
http://www.mcu.es/archivoswebmcu/gabineteprensa/notas/25192011/observatorio_lectura.pdf

参考:
E1156 – 米HarperCollins社,電子書籍の貸出回数に上限を設定
http://current.ndl.go.jp/e1156