英国の文化・メディア・スポーツ省(DCMS)が、2011年4月5日付けで、電子資料等の非印刷出版物の法定納本についての意見聴取の結果を発表しています。有料オンライン出版物も含む全ての非印刷出版物の法定納本に関する規則の案について、2010年9月30日から2011年1月11日までの期間で意見聴取が行われていたものです。図書館界はおおむね賛成の意見だったとのことですが、出版社からは大きな懸念が示されたとのことです。また、納本制度を規定している「2003年法定納本図書館法」では、出版社への負担が納本による公衆の便益と均衡を失しないことが求められていますが、出版社の負担について今回の意見聴取で明らかにはできなかったことから、現在の規則案のままでは実行可能でない、という判断となった模様です。今後、納本図書館や出版社と協議をして、新たな規則案を作成する予定とのことです。
Government response to the public consultation on the draft regulations and guidance for non-print legal deposit(DCMS 2011/4/5付けの発表)
http://www.culture.gov.uk/publications/8029.aspx
Public responses to the consultation on non-print legal deposit(各機関からの意見)
http://www.culture.gov.uk/consultations/8031.aspx
Consultation on the Legal Deposit of Non-Print Works(2010/9/20付けの意見聴取の文書)
http://www.culture.gov.uk/images/publications/Cons-non-print-legal-deposit-2011.pdf
The Legal Deposit Libraries (Non-print Publications) Regulations 2011(規則の案)
http://www.culture.gov.uk/images/publications/draft-regulations-legaldeposit-nonprint-publications.pdf
参考:
イギリスにおける2003年法定納本図書館法の制定―デジタル時代への対応―(国立国会図書館『外国の立法』223号)
http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/legis/223/022305.pdf