ジャーナルの購読契約料値上げを巡り、カリフォルニア大とNatureが対立

カリフォルニア大学のカリフォルニア電子図書館(CDL)は2010年6月4日、2011年のCDLとのジャーナル購読契約料を400%値上げするというNature Publishing Group(NPG)の提案に対し、大学を挙げて抵抗を示すことを求める文書を、学部長と教員宛てに送付しました。

これを受けNPGは2010年6月9日のプレスリリースで、今回の提案は、現在CDLの購読契約料が88%ディスカウントされているところを、他の出版社と同程度の水準である50%程度のディスカウントまで引き上げるというものであり、CDL側が言うような不当なものではないと主張しています。NPGはCDLに対し、他の出版社との契約において1論文利用単位の単価がいくらになるかを明らかにすることなどを求めており、もし、提案している条件の下でのNPGの1論文利用単位の単価が他の出版社と比べて高いようであれば、契約内容を再調整するが、そうでないことが明らかであれば、NPGの提案を受け入れてほしいとしています。

Re: Informational Update on a Possible UC Systemwide Boycott of the Nature Publishing Group(CDLによる文書)
http://libraries.ucsd.edu/collections/Nature_Faculty_Letter-June_2010.pdf

Public statement from Nature Publishing Group regarding subscription renewals at California Digital Library (CDL)(NPGのプレスリリース)
http://www.nature.com/press_releases/cdl.html

400%の値上げか、88%の値下げを50%の値下げにするだけか?:カリフォルニア大電子図書館 V.S. Nature Publishing Group
– かたつむりは電子図書館の夢を見るか 2010/6/10付けの記事
http://d.hatena.ne.jp/min2-fly/20100610

米国: UC、NPG誌大幅値上げに”NO”
– STI Updates 2010/6/10付けの記事
http://johokanri.jp/stiupdates/education/2010/06/004620.html