CA1225 – BNF、ストライキにより閉鎖 / 図書館研究所

カレントアウェアネス
No.231 1998.11.20


CA1225

BNF, ストライキにより閉鎖

フランス国立図書館(BNF)の新館,フランソワ・ミッテラン館(BFM)では,今年10月9日研究者向けの閲覧室,レ・ド・ジャルダンがオープンした(CA1199)が,システムの故障・不備により利用者サービスに支障を来していた。曰く,利用者のカードが使えない,検索用端末がダウンし,資料の所在情報が検索できない,資料の出納に何時間もかかる…

これが引き金になり,10月20日火曜日,職員はBFMの入口を封鎖してストライキに突入した。それに追随して23日からリシュリュー街の旧館,アルスナル(Arsenal)分館もストライキを開始した。

このストライキはBFMのシステムの不具合に端を発しているが,原因はもっと根が深いようである。

職員側は22日に,誇大宣伝の割に貧弱な利用者サービス,情報システムに依存しすぎている勤務状態,少数の管理職者への権限の過度の集中,新技術に対する管理職の知識不足,職員からの改善要求の握りつぶし,といった運営上の問題点を指摘し,(1)業務の全体的な見直し,(2)開館時間の一時的な削減,(3)レ・ド・ジャルダンとオ・ド・ジャルダンに共通の閉館日を設けること,という3項目の要求を掲げる声明を出した。一時的に開館時間を削減し,その時間を使って,近代的で質の高い利用者サービスを実現するために緊急かつ必要な再編成を行うことを求める提案である。

これに対し,26日に当局からの回答が出されたが,職員側はこれに満足せず,ストライキは18日間続いた。11月7日にストライキの終了が発表され、閲覧室は順次開いていく予定である。ストライキに関する職員側からの情報はインターネットで公開されている。一国の国立図書館のストライキによる閉鎖への反響は大きく,新聞各紙でも随時報道されている。サービスの向上と新しいシステムへの移行。身につまされる話である。

Ref: La Bibliotheque nationale de France au travail! [http://altern.org/bnfengreve/](last access 1998.11.6)