1.調査の背景と目的

1.調査の背景と目的

 国立国会図書館総合目録ネットワーク(以下「NDL総目」)事業は,国内の公共図書館における図書館資料資源の共有化,書誌サービスの標準化と効率的利用を図るとともに,公共図書館の県域を越える全国的な図書館相互貸借等を支援することを主たる目的として運営されている。平成9年度まで,情報処理振興事業協会(現情報処理推進機構:IPA)と国立国会図書館(以下「NDL」)との共同実験として進められた「パイロット電子図書館プロジェクト」のうち,総合目録ネットワークプロジェクトを継承したものである。

 参加対象館は,NDL,都道府県立図書館及び政令指定都市立図書館中央館であったが,平成13年度から図書館法(昭和25年法律第118号)の規定に基づく公立図書館又はこれに準ずる機関(ただし1自治体1館の制限を付した)に拡大し,平成16年度には,1自治体1館の制限を撤廃した。また,平成16年12月6日,NDL総目システムの検索機能をインターネット上に一般公開した。

 本総合目録は,NDL,都道府県立図書館及び政令指定都市立図書館中央館がデータ提供館となり,各館が所蔵する和図書の書誌データを機械的に突き合わせて同定し,総合目録データベースを構築する。参加館は総合目録データベースの検索及び検索結果を利用した相互貸借の依頼を行うことができる。平成17年3月現在,データ提供館は51館,事業の参加館は926館である。

 本参加館状況調査は,平成13年度の参加対象館の拡大以降数年を経過したことを受けて,こうした状況の変化がNDL総目の参加館における相互貸借業務等にもたらした影響を分析・評価し,NDL総目の今後の展開に資することを目的として実施された。

 本報告は,調査結果の概要をまとめたものである。


書誌事項:国内公共図書館の相互貸借等に関する調査報告書―国立国会図書館総合目録ネットワーク参加館状況調査のまとめ―. デジタル環境下におけるILL,ドキュメント・デリバリーとその運用基盤. (図書館研究シリーズ No.38). 2005. 4.