図書館利用者の情報行動の傾向及び図書館に関する意識調査

 国立国会図書館では、平成26年度「図書館及び図書館情報学に関する調査研究」事業として、「図書館利用者の情報行動の傾向及び図書館に関する意識調査」を実施した。

 われわれの情報環境は、近年劇的な変化を遂げている。この情報環境の変化の中で、これからの図書館サービスの在り方を検討するにあたっては、現在の図書館利用者だけでなく、図書館を利用していない潜在的な利用者も対象として、図書館が果たすべき役割についてのニーズや図書館利用も含む広い意味での情報行動の傾向を把握する必要がある。

 本調査の目的は、図書館を利用していない人々も含めた情報行動の傾向及び図書館への意識調査を実施し、主に、図書館政策立案者、各図書館及び図書館情報学研究者等へ今後の図書館の在り方の検討に資する基礎的な情報を提供することである。

 調査の役割分担については、企画および全体調整を国立国会図書館関西館図書館協力課が担当した。日本図書館情報学会のNDL調査研究協力チームの協力を得て調査票を設計し、楽天リサーチ株式会社にオンライン調査を委託して実施した。NDL調査研究協力チームは、日本図書館情報学会の特命事項担当常任理事である筑波大学松林麻実子講師を主査とし、筑波大学池内淳准教授、慶應義塾大学倉田敬子教授、筑波大学歳森敦教授を構成員として本調査への協力のために組織された。集計レポートの執筆は楽天リサーチ株式会社が担当した。

 調査対象は、20歳以上の日本在住者とし、オンライン調査を行った。調査期間は平成26年12月12日(金)から12月17日(水)、有効サンプル数は5,000件である。調査の対象者は、楽天リサーチ株式会社のモニターから抽出を行った。抽出にあたっては、総務省発表の平成26年1月1日現在の住民基本台帳の人口に基づき、11の地域・性別・年代で区分した比率が近似となるよう割り付けを行った。なお、調査手法としてオンライン調査を採用したこと、また、モニターから調査対象者を抽出したことから、本調査の回答者には一定程度の偏りが存在する。

 調査の内容は、情報行動の傾向、公共図書館の利用状況、公共図書館への意識の三つを柱としている。なお、公共図書館への意識を分析するには、その地域やコミュニティに対する意識についても調査すべき観点であると考え、質問項目に含めている。質問項目は、割り付けに使用した3問(年齢、性別、市区町村までの居住地)、と本調査である37問で構成している。

 本調査では、調査により得られたデータそのものを公開し、図書館情報学分野の研究利用、講義など教育への活用、図書館における利用者像の分析などに広く活用いただくことを目的としている。調査により得られた回答データ、調査結果の集計表、集計レポート、調査に使用した質問をまとめた調査票を国立国会図書館のホームページで公開し、広く利用できるものとしている(利用条件参照)。

 なお、利用条件に規定していない連絡については任意ではあるが、本調査により得られた成果を活用いただいた場合は、国立国会図書館関西館図書館協力課調査情報係(chojoアットマークエヌディーエルピリオドジーオーピリオドジェーピー)に連絡いただければ幸いである。お寄せいただいた事例は、さらなる利活用のヒントとなるよう、国立国会図書館のホームページで共有させていただきたい。