カレントアウェアネス-E
No.124 2008.03.05
E760
韓国の図書館情報政策委員会,図書館界の尽力により存続
2007年6月に設置されたばかりの図書館情報政策委員会(CA1635参照)の設置規定を削除するなど,図書館情報政策に関する大きな変更を含む内容の「図書館法一部改正法律案」が2008年1月21日に韓国国会に提出されて以来,韓国図書館界ではこれに反対し撤回を求める活動を広く展開してきた(E746参照)。これが奏功し,与野党間で図書館情報政策委員会が存続されることになったと,韓国図書館協会(KORLA)がウェブサイトで報告している。
KORLAによると,21の学協会による図書館情報政策委員会の存続を求める声明書の発表後,この声明書を全議員および大統領職引継ぎ委員会に送付するとともに,KORLAの会長・副会長などが国会を訪問し,議員に直接,存続を訴えかけたという。このほか,大学教授による新聞への寄稿など,世論を喚起する取り組みも行われた。
また国会議員も,存続を求める個人名の声明書を各議員に送付したり,野党代表に直接働きかけたりしたシン・ギナムKORLA名誉会長(国会議員・国会情報委員会委員長)を筆頭に,国会文化観光委員会所属委員などが,存続を求める取り組みを広く展開した。
図書館情報政策委員会の存続は,直接的にはこうした要人たちのアドヴォカシー活動・ロビー活動によるものといえようが,これらの活動の陰には,ウェブ上の掲示板やメーリングリスト等に,数多くの意見・コメント・アイデアを投稿し,また支援の声を届けた図書館員・図書館関係者たちの姿があった。KORLAの報告文は「何よりも,図書館人の静かだが粘り強い全方位的努力と声援が,このような成果を成し遂げた」と,感謝の言葉で締められている。
Ref:
http://www.korla.or.kr/community/bbs/view.asp?BBSCode=F0005&pkid=47
http://www.hani.co.kr/arti/opinion/because/270361.html
http://www.seoul.co.kr/news/newsView.php?id=20080130030001
http://likms.assembly.go.kr/bill/jsp/BillDetail.jsp?bill_id=PRC_Q0M8J0U1M2H1C1T7M0N8M4A3B2L5L8
http://www.librarian.co.kr/bbs/zboard.php?id=notice&no=563
http://www.librarian.co.kr/bbs/zboard.php?id=notice&no=583
CA1635
E746